OrCAD からのインポート
Capture™の回路図、Layout™のPCBファイル、ライブラリファイルなど、OrCAD®の設計ファイルは全て、Altium NEXUSのインポートウィザードで変換できます(OrCADバージョン16.xxまで)。インポートウィザードは、インポート対象のファイルを解析し、プロジェクト構成、レイヤーマッピング、PCBフットプリントの命名などに対しデフォルトや推奨の設定を提供することで、デザインの変換に付きものの多くの問題を取り除きます。ウィザードのステップによる柔軟性により、変換処理を実際に行う前に、ユーザーはファイル変換の設定を自由にコントロールできます。
インポーターの有効化
Altium NEXUSの初期インストールでインポーターが追加されていない場合は、Altium NEXUSの [Extension & Updates] 画面の [Configure Platform] ページで有効にすることができます。[DXP] » [Extensions and Updates] を選択して、[Installed] タブの下の [Configure] リンクをクリックし、[Importers\Exporters] の項目の [OrCAD] を選択します。
OrCADファイルのインポート
OrCADデザインファイル インポーターは、Altium NEXUSのインポートウィザード([File] » [Import Wizard])から使用できます。ウィザードの [Select Type of Files to Import] ページでオプションを選択します。ウィザードには、デザインファイル(回路図、およびPCB)とライブラリファイルを指定するページオプション、およびOrCAD対Altium NEXUSのレイヤーマッピング オプションがあります。
– ウィザードのインポート手順の詳細については、Import Wizardページの [OrCAD Design and Libraries Files] の項目を参照してください。
ファイル変換
インポートウィザードでは、OrCADデザイファイルは次のように変換されます。
- OrCADレイアウトファイル(
*.MAX
)は、Altium NEXUS PCBファイル(*.PcbDoc
)に変換されます。 - OrCAD Captureファイル(
*.DSN
)は、Altium NEXUS回路図ファイルに変換されます。.DSN
ファイルの各ページがAltium NEXUSの1つの回路図ファイル(*.SchDoc
)になります。.DSN
ファイルのデザインキャッシュは、Altium NEXUS回路図ライブラリ(*.SchLib
)としてインポートされます。デザイン階層は、複合の階層を含め、維持されます。 - これらのファイルは、自動で作成されるAltium NEXUS PCBプロジェクト
(*.PrjPCB)
にグループ化されます。
OrCADライブラリファイルは、以下のように変換されます。
- OrCAD回路図ライブラリファイル(
*.OLB
)は、Altium NEXUS回路図ライブラリファイル(*.SchLib
)に変換されます。 - OrCAD PCBライブラリファイル(
*.LLB
)は、Altium NEXUS PCBライブラリファイル(*.PcbLib
)に変換されます。 - 変換されたOrCADライブラリは、自動的に1つのPCBプロジェクトにグループ化されます。
PCBレイヤーマッピング
インポートされたPCBデザインと変換後のAltium NEXUSのPCBレイアウトの間でレイヤーがどのようにマッピングされているか、注意してください。レイヤーマッピングは、「外部の」PCBレイヤーとAltium NEXUSのPCBレイヤーの名称との関係です。
複数デザインのバッチインポート処理に対応するため、インポートウィザードでは、デフォルトのレイヤーマッピングが設定されていますが、設定を変更して*.ini
ファイルとして保存できます。マッピングは、インポートウィザードによって、インポートされたデザインの各PCBのレイヤーマッピングを作成するために使用されます。したがって、複数のPCBファイルのインポート中、保存された構成ファイルが読み込まれ、個別(または全て)のPCBファイルに適用されます。
原則的に、10個のPCB設計をインポートしてlayer Assembly 1をMechanical Layer 1にマッピングする場合、そのレイヤーマッピングを行うために、インポートされた10個のPCBデザインをぞれぞれカスタマイズする必要はありません。
インポートされたドキュメントでの作業
OrCAD Captureの設計作業は全て、デザインの論理的な作業領域であるページで開始され、1つのOrCAD回路図ファイル(*.DSN
ファイル)には複数の回路図ページを保存できます。Altium NEXUSでは、論理的な設計領域はドキュメントで始まり、各ドキュメントについて、ハードドライブに格納されたファイルが存在します。
つまり、各Altium NEXUSの回路図シート(ページ)は、回路図ドキュメントファイルで表されます。これは、注意すべき重要な概念的相違です。Altium NEXUSは、設計プロジェクトの性質に応じて、タイプの異なる複数のドキュメント(回路図やPCB設計ドキュメント以外も含む)を保存できます。
ワークスペースパネル
Altium NEXUS環境の多くの要素は、OrCAD Project Managerに類似したProjectsパネルなど、OrCADユーザーにとってなじみがあるでしょう。ただし、Projectsパネルは回路設計データに限定されず、PCB、全ライブラリ、出力ファイル、その他のプロジェクト関連ドキュメント、さらに非ネイティブファイル(PDF、テキストファイル、スプレッドシートなど)を表示することができます。
– Altium NEXUSの機能の詳細については、「Altium NEXUSについて」を参照してください。
プロジェクト構成
OrCAD Captureは、Altium NEXUSと同様、フラット設計、および階層設計を対応しています。
Captureの回路図は、CaptureのProject Managerにフォルダーアイコンとして表示されます。フォルダーには、回路図シートアイコンで表されたページが含まれます。Captureの各回路図は、1つ以上のページで構成され、典型的なCaptureのフラット設計は、その回路図で必要な数のページに描かれているデザインを含む1つの回路図(フォルダー)です。
デザイン内の他の全てのモジュールを直接的、間接的に参照する、階層の最上位の回路図フォルダーは、ルートモジュールと呼ばれます。OrCADのProject Managerでは、ルートモジュールはフォルダーアイコンにバックスラッシュが表示されます。
Altium NEXUSは、単純に、関連する回路図の階層を表示します。シート対シートの構成は通常シートシンボルによって定義されます。これに相当するCaptureの構成概念は、下位レベルの回路図を参照する、階層ブロックシンボルです。
– Altium NEXUSのプロジェクト構成の管理に関する情報は、Projectsパネルを参照してください。
ネット接続
OrCAD Captureでは、ネット接続は、ネットエイリアス、オフページコネクタ、階層ブロック、階層ポート、グローバルなどを使用して作成されます。1つの回路図フォルダー内の回路図ページ間のネットは、オフページコネクタを通じて接続されます。回路図フォルダー間のネットは、階層ブロックおよび階層ポートによって接続されます。グローバルは、設計全体にわたって、電源/GNDネットの接続に使用されます。
Altium NEXUSは、同様のネット識別子のセットを使用してネット接続を作成します。回路図シート内ではワイヤ、およびネットラベルを使用できます。回路図シート間では、フラット設計のネットは通常、ポートを使って接続されますが、オフシートコネクタも使用できます。階層設計のネットは、下位のシートのポートから、下位レベルのシートを表すシートシンボルの、同名のシートエントリーに接続されます。電源/GNDネットは、パワーポートを使用して接続されます。