CADSTAR からのインポート
Zuken® CADSTAR™形式でのPCB設計に対応するため、Altium NEXUSには、CADSTARの回路図、PCB、ライブラリファイルを同等なAltium NEXUSデザインファイルに変換するCADSTARインポーターが含まれています。
このインポーターは、Altium NEXUSのプラットフォーム拡張機能として含まれており、デザインファイルのインポートウィザードで、インポートファイルタイプのオプションとして示されます。
対応バージョン
Altium NEXUSのCADSTARインポーターは、デザインファイルをASCIIベースのCADSTARアーカイブ形式に変換するとき、CADSTARバージョン9から17までを公式に対応しています。バイナリのCADSTARファイルは、対応していません。
CADSTARのアーカイブファイルの拡張子は、PCBベースのファイルでは.cpa
、回路図ベースのファイルでは.csa
です。実践的には、インポーターで対応するCADSTARのファイルタイプは、次のとおりです。
- PCBデザイン
- 回路図デザイン
- 部品ライブラリ、および回路図シンボルライブラリ
- PCBコンポーネントライブラリ
インポーターのインストール
CADSTARインポーターは、Altium NEXUSの初期インストールの一部として、他の全てのインポーター、およびエクスポーターとともにインストールできます。Altium NEXUSインストーラーの [Select Design Functionality] ページで、[Cadstar] オプション([Importers\Exporters] 機能セットの一部)を確実に有効にするだけです。
この拡張機能が、ソフトウェアの初期インストール中に追加されていない場合は、[Configure Platform] ページで、[Extensions & Updates] 画面(ワークスペースの右上にある コントロールをクリックし、メニューの [Extensions and Updates] を選択します)からインストールの拡張機能と更新を管理するときに追加できます。
- [Installed] ページで、右上の [Configure] ボタンをクリックして [Configure Platform] ページを表示します。
- ページを下にスクロールして、[Importers\Exporters] 領域の [Cadstar] を選択します。
- ページの右上に戻って [Apply] ボタンをクリックします。変更内容を有効にするため、Altium NEXUSを再起動する必要があるので、ダイアログのプロンプトで [Yes] をクリックします。
インポートするファイルの準備
次の表は、インポーターで対応しているCADSTARファイルのタイプの説明と、CADSTARのバイナリファイル形式をアーカイブファイル形式(必要な場合)、および同等なAltium NEXUS出力に変換する方法の概要を説明したものです。
CADSTARのファイルタイプ |
CADSTARアーカイブへのエクスポート |
Altium NEXUSの出力 |
PCB設計 |
CADSTARで [File] ≫ [File Export] オプションを使用して、バイナリのPCBデザイン( |
Altium DesignのPCBドキュメント( |
回路図デザイン( |
CADSTARの [File] » [File Export] オプションを使用して、バイナリ回路図( |
Altium Designの回路図ドキュメント( |
PCBライブラリ( |
CADSTARのLibrary Manager([Library] ≫ [PCB Components])を使用して、バイナリPCBライブラリ( |
Altium NEXUSのPCBライブラリ( |
部品ライブラリ( |
部品ライブラリ( |
インポーターは、部品ライブラリとシンボル回路図アーカイブの両方を使用して、Altium NEXUSの回路図ライブラリ( |
PCB設計
CADSTARのPCBレイアウトファイルは、Altium NEXUSのPCBドキュメントと同等です。Altium NEXUSのCADSTARインポーターは、CADSTARのPCBレイアウトファイル(*.cpa
)を入力として受け付け、ネイティブのPCBドキュメント(*.PcbDoc
)に変換します。 CADSTARのPCBレイアウトがバイナリファイル形式の場合、CADSTARの [File Export] 機能を使用して、*.cpa
ファイル形式にアーカイブします。
回路図デザイン
CADSTARの回路図バイナリファイル(*.scm
)をAltium NEXUSにインポートするには、最初にCADSTARの [File Export] コマンドを使用してアーカイブ(*.csa
)形式にエクスポートする必要があります。
回路図ライブラリ
インポーターでAltium NEXUSの回路図ライブラリを作成するには、最低2つのCADSTARソースファイルが必要です。最初のものはCADSTARのPartsライブラリで、プレーンテキストの部品一覧です。このライブラリの名称と場所は、CADSTARのParts Library Managerで見つけられます([Libraries] タブ下の [Parts] を選択します)。
部品ライブラリの部品アイテムは、別のシンボルライブラリファイルにあるシンボル定義により参照されます。これが、インポーターでAltium NEXUS回路図ライブラリを作成するとき必要な2つ目のファイルです。
シンボルライブラリファイルは、CADSTAR回路図アーカイブ(*.csa
)ファイル形式である必要があり、CADSTARのLibrary Managerで変換できます。 [Libraries] タブ下にある [Schematic Symbols] を選択してLibrary Managerを開き、[Archive] ボタンを使用して変換を実行します。
例えば、部品ライブラリファイルの名称が「parts.lib
」なら、「symbol.lib
」という名称のシンボルライブラリファイルにあるシンボル定義を使用します。後者はまず、CADSTARのアーカイブユーティリティを使用して、ASCIIの「symbol.csa
」ファイルに変換されます。次にインポーターは、parts.lib
、およびsymbol.csa
ファイルをAltium NEXUSのparts.schlib
に変換します。parts.lib
ファイルが複数の「symbol.csa
」ファイルを参照している場合、インポート/変換プロセスの間にそれらのファイルを追加できます。
Altium NEXUSの用語では、parts.lib
ファイルの部品アイテムの定義とsymbol.csa
ファイルのシンボルの定義は、Altium NEXUS回路図ライブラリのコンポーネント定義と同等です。
PCBライブラリ
CADSTARのPCBコンポーネントは、Altium NEXUSのPCBフットプリントと同等です。CADSTARのPCBライブラリ(*.lib
)は、最初にCADSTARのLibrary Managerによりアーカイブ(ASCII)形式(*.cpa
)に変換してから、CADSTARインポーターを使用してAltium NEXUSのPCBライブラリ(*.PcbLib
)に変換する必要があります。
CADSTARインポーターの使用法
CADSTARデザインファイルのインポーターは、Altium NEXUSのインポートウィザード([File] ≫ [Import Wizard])から使用できます。このオプションは、ウィザードの [Select Type of Files to Import] ページで選択します。このウィザードには、デザインファイル(回路図、およびPCB)とライブラリファイル(部品、シンボル、フットプリント)の両方を指定するページオプション、およびCADSTARからAltium NEXUSへのレイヤーマッピング オプションがあります。
CADSTARファイルの完全なセット(回路図デザイン、PCBデザイン、部品ライブラリ、回路図/PCBライブラリ)が利用可能な場合、Altium NEXUSのインポートウィザードで全て同時にインポートすることを強くお勧めします。これによって、ウィザードはAltium NEXUSのプロジェクトとライブラリを生成でき、作成される回路図ライブラリ(*.SchLib
)のコンポーネント定義には、関連付けられているシンボルと、一致するフットプリントへのリンク(生成される*.PcbLib
ファイル内)が正しく含まれるようになります。
– ウィザードのインポート手順の詳細については、[Import Wizard] ページの「CADSTARの設計とライブラリ」の項目を参照してください。