ActiveBOM での BOM 管理
優れたコンポーネントの選択は、あらゆるエレクトロニクス製品を成功させるための基礎となります - 設計者は、どのように最も適切なコンポーネントを選択しますか? 使い古しのコンポーネント データブックを参照し、紙の部品リストに part number を記入して、最初の生産が始まる時期に部品リストを見直して購入する設計技術者の時代は終わりました。
設計者は、コンポーネントを選択する時、必要不可欠な技術的要件を満たすためだけでなく、実装、テスト段階中、そのコンポーネントの要件を満たし、価格、入手可能性、リードタイムも考慮する必要があります。不適切なコンポーネントを選択すると、最終的な単価だけでなくコストがかかり、製品の配送スケジュール、または製品の市場へのリリースに影響を与える可能性があります!
高度に押しつめられたデザイン/テスト/製造製品開発サイクルでは、設計者は、誤ったコンポーネントを選択することは、できるだけ避けたいです。一方、製造メーカーから、サプライヤー、検索アグリゲーターまで、緊密に網羅されたコンポーネント情報があれば、設計者の画面上で正確なコンポーネントを選択できます。Altium は、コンポーネントの選択は設計プロセスでの重要な役割と認識しており、チームが容易に使用できるソフトウェア技術、詳細で正確なコンポーネントデータや、設計者のワークスペースで直接、コンポーネントを選択できるシステムを開発しています。
プロジェクト BOM は、設計プロセスで最初に作成されるドキュメントの 1 つで、重要なコンポーネントは、最初のプロジェクトの見積もりでコストがかかります。そして、製造、実装、テストのためにプロジェクトを渡す時、最終的に決定するドキュメントの 1 つです。また、その BOM は、基板に実装する電子部品のリスト以上のものです(これには、PCB のサブアセンブリを完成するために必要なネジ、スタンドオフ、ラベル、ヒートシンク、接着剤のチューブの詳細情報も必要です)。
部品表管理エディタの ActiveBOM では、このような情報を管理できます。
コンポーネント管理の課題を解決
デザインで使用した各部品には、詳細なサプライチェーン情報が必要です。以前は、設計者は、ライブラリ作成中、または回路設計中、または後でサプライチェーンの詳細を追加するためにデザインの BOM を生成後、この情報を各コンポーネントへ追加する必要がありました。新しい ActiveBOM 機能により、この制約は無くなりました(設計者は、回路図コンポーネントの代わりに BOM へ直接、サプライチェーン情報を入力して、設計サイクル中、いつでもサプライチェーン情報をコンポーネントへ追加できます)。
BOM へ直接、サプライチェーンの詳細を含めることができるこの機能により、PCB プロジェクトでの BOM ドキュメントの役割が変わります。単なる出力ファイルではありません。ActiveBOM は、コンポーネント管理プロセスを改善し、回路設計やPCB設計プロセスと並行して実行できます。ActiveBOM の BomDoc は、全てのBOMタイプの出力に対して、PCB プロジェクトの部品表データのソースになります。ActiveBOM は、Altium NEXUS 18 の全てのバージョンで推奨する BOM 管理の方法です。
回路図に配置したコンポーネント、追加のコンポーネントや BOM 固有のデータを ActiveBOM に直接、追加できます。例えば、まだ詳細がわからない部品、金具、ブランクボード、実装用接着剤です。特定の行番号列(自動、手動番号割付やコピー、ペーストを対応)を含むカスタム列を追加することもできます。
ActiveBOM では、Altium クラウドサービスを使用して、メーカー情報を含む設計コンポーネントの詳細な最新のサプライチェーン情報を確認できます。これは、管理されたコンテンツサーバから配置するコンポーネントより拡張されています(サプライヤーにリンクされた部品、パラメータに適切なメーカーの詳細が含まれている部品も対応)。
BOM ドキュメントの作成
ActiveBOM での BOM ドキュメントは、BomDoc と呼ばれます。File » New サブメニューを介して、または Projects パネルでプロジェクトを右クリックして、新しい BOM をプロジェクトへ追加します。各 PCB プロジェクトには、1 つの BomDoc しか含められないことに注意してください。
新しい BomDoc をプロジェクトへ追加すると、回路図は、自動でコンパイルされ、全てのコンポーネントは BomDoc にリスト表示されます。サプライチェーンデータがある場合、以下の The Supply Chain の項目で説明している通り、適切なメーカーの部品の詳細がインターフェースの下部に表示されます。
追加のコンポーネントを回路図に配置した時、それらは BomDoc に自動で追加されます。追加の BOM Item やパラメータは、コンポーネントリストの上にある Add new ボタンを介して、手動で ActiveBOM に直接、追加できます。詳細については、Custom BOM Items and Columns の項目をご参照ください。
BomDoc の上部の領域は、BomDoc へ直接、追加した BOM Item や、PCB 設計プロジェクトで検出されたコンポーネントの表形式のリストです。この領域は、BOM Itemリストと呼ばれます。
BOM Item を表示するための 3 つのビューモードがあります。リストの上部にあるボタンを使用してモードを選択します:
Flat View - 全てのコンポーネントが表示されます。
Base View - プロジェクト内の各コンポーネントが表示されます。Designator 列に、それらのコンポーネントのデジグネータがリスト表示されます。複数の表示オプションは、デジグネータをグループ化するために利用できます。Properties パネルで Designator Grouping モードを選択します。
Consolidated view - プロジェクトにバリアントが含まれている時に使用し、全てのバリアントを統合した BOM を表示できます。
コンポーネントリストは、以下のような、多数のスプレッドシートのような編集機能を対応しています:
- Properties パネルの Column タブを使用して、列を表示/非表示にしたり、列のエイリアス名を定義できます。
- ドラッグアンドドロップで列の順番を変更できます。
- 任意の列でソート、Shift を押して、その次の列をソートできます。
- 列の見出しの上にカーソルを置くと、フィルタアイコンが表示されます。そこをクリックすると、列の値 でフィルタをかけられます。
- 標準の Windows の選択方法を使用してセルを選択できます。
- ActiveBOM のセルの内容をコピーしたり、外部のスプレッドシートエディタの値をカスタム ActiveBOM の列へペーストできます。
- Base view で Set line numbers ボタン をクリックして、各行へ行番号を追加できます。右下のドロップダウンアイコンをクリックして、Line # Options ダイアログを表示します。そこで、開始番号やインクリメント値を定義できます。詳細については、Line Number Column の項目を参照してください。
- Add New ドロップダウン をクリックして、行、または列を追加できます。詳細については、Custom BOM Items and Columns の項目を参照してください。
- 標準の Windows のショートカットを使用して、BOM Item のリストをスクロールできます:
- 縦のスクロール = マウスホイール
- 横のスクロール = Shift + マウスホイール
PCB 設計プロジェクトの BOM 管理では、回路図や PCB に配置したコンポーネントや BOM Item の管理が必要です。PCB 設計プロジェクトで、カスタム BOM Item、またはパラメータを使用する場合はよくあります。このような場合、ActiveBOM では、BOM Item や列(パラメータ)を追加できます(これらは、生成する BOM に含めることができます):
- Custom row - デザイン(生基板、接着剤等)で考慮する必要があるカスタム BOM Item を容易に追加する方法です。カスタム行の全ての欄は、ユーザ定義です。カスタム列は、ActiveBOM で管理されていません。例えば、quantity(数量)を 3 に設定した場合、Flat View では、3 つの個々のアイテムで表示されません。また、サプライチェーン検索は、カスタム列を対応していません。
- Custom column - ActiveBOM で管理された追加の BOM 列。ユーザ定義の文字を含めることができます。
- Custom Item - 追加の BOM Item。これは、一般的に必要であるが、まだ知られていないか、またはライブラリに存在しないアイテム用です。これにより、これらのアイテムのコストを基板全体の見積もりに含めることができます。
- Vault Item - BOM ドキュメントで手動で管理する、追加の BOM Item。最初の Vault Item は、アイテムを BOM へ追加する時に選択されます(いつでも右クリックメニューを介して別の Vault Item へ変更できます)。
ActiveBOM で利用できるデフォルトのデータソースは、回路図コンポーネント パラメータ ( )、管理された Item のサーバ コンポーネント パラメータ ( )、BOM へ直接、追加したデータ ( ) です。ActiveBOM は、これらのソースからメインプロジェクトの BOM Item 表を生成します。ActiveBOM Properties パネルの Columns タブでデータソースを有効にし、その表示をコントロールします。
Sources ボタンを有効にして、以下のその他のデータソースから得た情報も BOM に含めることができます:
PCB から - PCB での各コンポーネントの座標 / 角度 / 基板データの面を列に含めることができます。
データベースから - 外部のデータベース(*.DbLib、*.SVNDbLib、*.DbLink 経由)からコンポーネントパラメータを読み込みことができます。
Altium クラウドサービス - Altium Parts プロバイダが識別した BOM Item に関する、幅広いその他のコンポーネントデータを利用できます。そして、サプライチェーン ソリューションを表示できます。
ドキュメント パラメータ - PCB プロジェクト内の全ての回路図での、検出された回路図ドキュメント パラメータを列に含めることができます。
実装図を含む PCB デザイン、または設計技術者、原価技師、購買専門家間の BOM データのやり取りに関して、BOM 行番号 (BOM Item position No) は、BOM の行を識別するための簡単な方法です。そこで、関連するコールアウト、コンポーネント、デザインの描写を明確に識別できます。
ActiveBOM は、プロジェクト BOM データソースとして、プロジェクト BOM のユーザ定義の Line # を対応しています。また、手動、自動 Line # (BOM Item position No) 管理機能もあります。
- プロジェクト BOM Item(コンポーネント)の位置番号を自動で設定するには、Set Line # ボタンをクリックします。行番号は、Item Details グループ内の Line # 列に表示されます。ボタンの右にあるドロップダウン アイコンをクリックして、Line # Options ダイアログを表示します。そこで、開始、インクリメント値を定義できます。
- 手動で Line # を変更するには、Base view モードに切り換え、Line # 列の目的のセルを選択します。そして、以下を行います:
- キーボードで Delete を押して、セルを削除します。それから
- 手動で新しい値を入力します。または
- Windows のクリップボードから値をペーストします。
- 番号を再割付する、またはカスタムで追加した番号から番号を割付するには、目的のアイテムの Line # をクリックしてから Set Line # ボタンをクリックして、Line Numbering ダイアログを表示します。そこで、番号を割付 、または 全て番号を再割付 できます。ベース、インクリメント値は、Line # Options ダイアログで定義しました。Line # セルに値を入力し、それを選択して、番号フォーマットをコントロールできます。
BOM Item 表は、以下の主要なグループへ分類されます:
- Item Details (図のオレンジ色でハイライトされている箇所) - これらの列には、Designator、Description、Library Reference、その他のコンポーネント パラメータ等のコンポーネント パラメータの詳細が表示されます。
- Solutions (図のシアンでハイライトされている箇所) - サプライチェーンからの最高ランクのメーカーとサプライヤー。ソリューションの数(メーカーの部品)や、各ソリューションのサプライヤーの数は、ActiveBOM Properties パネルで設定します - これらは、サプライヤータイルの色付きのバナーで示されます。ランキングは、自動ですが、以下の The Supply Chain の項目で説明している通り、手動でも定義できます。
- BOM Status (図の緑色でハイライトされている箇所) - 各コンポーネントに関連する現在の危険の表示。アイコン上にカーソルを置くか、または Properties パネルのBOM Status 列を有効にして、内容説明を表示できます。
- Variant Details - Consolidated View で Variants と言う表題のグループが BOM Status 列の隣に追加されます。このグループには、ベースデザインの列、各バリアント、コンポーネントの数量(ユニットごと)の表示が含まれています。詳細な情報については、Working with Variants の項目を参照してください。
ActiveBOM では、幅広い BOM をチェックする機能があります(BOM を更新する度に自動で実行されます)。
BOM Status
各 BOM Item の違反はチェックされ、その状態は BOM Status 列に表示されます。この列は、常に BOM Item リストの右側に表示されます(アイテムの状態を示すアイコンが表示されます)。BOM Item は、複数の BOM チェックで失敗する場合があることに注意してください。アイコンは、最も重大な失敗を示します。
BOM Status のアイコン:
- Clear - コンポーネントにはソリューションがあり、これらのソリューションには、十分な在庫があるサプライヤーが含まれています。そして、少なくとも 1 つのソリューションがランク付けされています。
- Warning
- Error
- Fatal Error
そのアイコンの上にカーソルを置くと、その部品の状態に関する概要が表示されます。あるいは、BOM Status 列の表示を有効にして、詳細情報を表示できます。その列は、検索ボックスがある ActiveBOM Properties パネルを介して、または BOM Item リストの列ヘッダ領域で右クリックし Select Columns コマンドを選択して、有効にできます。
BOM チェックの設定
BOM Item では、自動で以下についてチェックされます:
- Violations associated with Design Items: これには、BOM パラメータが、ライブラリパラメータ(明確でないパラメータ)と一致していない部品や、デジグネータが重複している部品等のテストが含まれています。
- Violations associated with Part Choices: これには、ランク付けされていない MPN(システムが割り当てたランク付けのみ)、サプライヤーが無い、目標価格を満たさない等のテストが含まれています。
各 BOM チェックの厳格レベル(report mode)は、BOM Checks ダイアログで設定します。Properties パネルの BOM Checks の違反検出リスト下部にあるギアアイコン をクリックして、そのダイアログを表示できます。
BOM Status で BOM Item リストをフィルタリング
Properties パネルには、現在の BomDoc に存在する検出された BOM チェック違反のリストが表示されます。フィルタアイコン(下図に示す)をクリックして、BOM チェックで違反した BOM Item のみが表示されるように、メインの BOM Item リストでフィルタをかけることができます。BOM Item は、複数の BOM チェックで違反になる場合があることに注意してください。
コンポーネントの選択は、多くの場合、入手可能性、単価、生産量を考慮するプロセスです。ActiveBOM の長所の一つは、詳細な最新のサプライチェーン情報を設計環境へ正確に反映できることです。この情報を入手できることは、設計者が、容易にコンポーネントの情報を確認して、適切なコンポーネントを選択できることを意味します。
設計コンポーネントに、承認されたメーカーの part number(manufacturer's part number(MPN))が含まれている場合、ActiveBOM で Altium クラウドサービスへアクセスして、部品のサプライチェーン情報を検索できます。クラウドサービスの主要な機能は、Altium Parts Provider です。これは、外部サプライヤーの幅広いリスト から部品情報をライブで収集し、価格、在庫、最小注文数量等の情報を ActiveBOM へ送ります。
ソリューション
ActiveBOM 内で、設計コンポーネントがこのサプライチェーン情報へアクセスすると、その情報が、ActiveBOM インターフェースの下部に表示されます。メーカーの部品は、左に表示され、入手できるサプライヤーの詳細が右に表示されます。
これらの行は、ソリューション と呼びます。各ソリューションは、MPN (Manufacturer Part Number) と呼ばれる特定のメーカーの部品です(その部品を提供できるサプライヤーの詳細情報が含まれています)。
詳細については、Including Supply Chain Information in the Parts の項目を参照してください。
- メーカーの詳細:
- 部品画像
- メーカー名
- メーカー Part Number (メーカーの web サイトにある部品にリンクした)
- 内容説明
- ソリューションの優先度 (Primary、Secondary 1、Secondary 2 等)
- 在庫量: お気に入りのサプライヤーから入手できる在庫の総数(全体の入手可能性)。在庫が、注文数量より少ない場合、赤色。
- 最小単価。価格が無い、または価格が 0 の場合、赤色
- メーカーのライフサイクル: Altium クラウドサービスのデータ:
- デフォルト、未知、または情報が無い場合、灰色
- 新規、または量産状態の場合、緑色。
- 新規デザインで推奨しない場合、オレンジ色
- 使用されていない、または製造終了の場合、赤色
- データシートへリンク (Octopart)
- 入手できるお気に入りのサプライヤー数
- ユーザーランク、クリックして設定
ライフサイクル状態の解釈
現在のライフサイクル状態は、ソリューションごとに表示されます(上図に示すように)。
ライフサイクル状態は、様々な理由により、指標 として使用されるように設計されています:
- Altium は、何千ものコンポーネントメーカーが製造している、何百万ものコンポーネントのデータベースを維持しています。それらのメーカーが、コンポーネントのライフサイクル状態を反映するために使用する単一で一貫した方法は無いため、その状態は、メーカー、世界的な販売代理店、販売分析から収集した情報に基づきます。
- 使用されていない、または製造終了の状態を承認した正規販売代理店、またはメーカーが少なくとも 1 社ある時、部品は、EOL、または Obsolete としてのみレポートされます。
- Not Recommended for New Design (NRND) の状態を決定することは、より複雑です。メーカーは、部品を利用できるかどうか報告するだけで、部品が製造中止になる、または交換されることを事前に警告できません。そのため、このライフサイクル状態は、メーカーが提供する状態と必ずしも一致しません。その状態のアルゴリズムは、様々な情報(販売代理店からのリアルタイムの過去の在庫状況を含む)を使用して、部品の入手可能性を決めます。一貫して入手可能性が低い部品(過去に入手可能だった)、または以前に入手可能性が高かったが、その後、一定期間、調達できない部品は、NRND として示されます(EOL、または Obsolete でない場合)。
- ライフサイクル状態インジケーターの考え方は、問題の可能性がある部品をハイライト表示して、部品の詳細情報に基づいた決定を手助けする、わかりやすい情報を提供することです。しかし、管理する膨大な量のデータとコンポーネント数のため、メーカーの状態を Altium NEXUS に反映するまで遅れる可能性はあります(そのため、最新ではありません)。Altium が、ライフサイクル状態の正確さを保証できない場合、承認されたライフサイクル情報をメーカーと再確認することをお薦めします。
複数のメーカーの部品を利用できる場合(複数のソリューションがあることを意味します)、ソリューションは、部品の入手可能性、価格、メーカーのライフサイクル状態に基づいて、自動で最高から最低までランク付けされます。
より低いランクのソリューションを使用したい場合(例えば、特定のメーカーを使用するため)、下図に示すように、スター機能を使用して User Rank を定義して自動でランキングを無視できます。
メーカーの部品の詳細の右には、利用できるサプライヤーが表示されます(分割された欄に各サプライヤーの詳細が含まれています)。これらの欄は、SPNs (Supplier Part Numbers) とも呼ばれます。
SPN は、自動で入手可能性や価格でランク付けされます。各 SPN の欄には、色付きのバナーが含まれています。その色は、SPN の選択に関するリスクを示します(下記参照)。入手可能性と価格データは、いつでも Altium Parts Provider から更新できるため、SPN 欄の順番は変更される可能性があります。
- 欄のバナー(ロックピン、サプライヤー名、ドロップダウンを含む)、バナーの色は、次のように示します:
- 緑色 = 最適
- オレンジ色 = 容認可能
- 赤色 = 危険
(solid バナーは、Properties パネルで設定した使用済みソリューションを示します)
- サプライヤー part number(サプライヤーの web サイト上の部品へリンクした)
- 最後に更新されたアイコン(tooltip に詳細が表示された)。色は、次のように示します:
- 灰色 = デフォルト、1 週間以内に更新されました
- オレンジ色 = 1 週間 < 最後の更新 < 1 ヶ月前
- 赤色 = 最後の更新 > 1 ヶ月前
- 部品の情報源。tooltip に表示される詳細、可能な値には、次の情報が含まれます: Altium パーツプロバイダー、カスタム パーツプロバイダー、Manual Solution
- 在庫。利用できる在庫が、注文数量より少ない場合、赤色
- 注文数量。Minimum Order Quantity (MOQ) が、注文数量より多い場合、オレンジ色。tooltip に表示された、その他の情報
- 単価。利用できる価格が無い場合、または価格が 0 の場合、赤色。単価には、通貨のアイコンが含まれています。通貨は、ActiveBOM Properties パネルで設定します
- 注文価格。0 の場合、赤色(在庫が無い、または単価が無いことを意味します)
- 利用できる price break(MOQ を含む)
サプライヤーのランキング
新しい BOM Item のデフォルトの状態は、サプライヤーが自動でランク付けされることです。部品の価格や入手可能性は変わるので、このランキングは、時間とともに変化する可能性があることに注意してください。必要に応じて、SPN タイルバナーの左にあるピンアイコンをクリックして、SPN タイルを特定の位置へロックできます。SPNの自動による順番は、手動で無効にすることもできます。タイルバナーの右にあるドロップダウンを使用して、必要な位置に設定できます。ドロップダウンを使用して、SPN タイルの位置を手動で設定した場合、ロックピンは自動で適用されます。
ランキングにサプライヤーの優先度を適用する方法については、Configuring the Available Suppliers の項目を参照してください。
部品にサプライチェーン情報を含める
緊密に連携したサービスとチームを通じて、Altium は、膨大なコンポーネントのカタログや、コンポーネント サプライチェーンデータを管理しています。このデータは、Altium クラウドサービスとして提供し、Altium Parts Provider 拡張機能をインストールして利用できます。
サプライチェーン情報が既に含まれている管理されたコンポーネント(例えば、Altium Managed Content Server から配置したコンポーネント)を対応するだけでなく、新しい ActiveBOM では、その他のコンポーネントのサプライチェーンデータも検索できます。
要約すると、デザインで使用するコンポーネントのサプライチェーンデータは、以下の方法で利用できます:
- Altium Content Vault、または会社の Managed Content Server (管理された部品) から配置した部品 - Altium Content Vault、または会社の Managed Content Server から配置した部品は、Parts Choice List を介して、幅広いサプライチェーンデータへリンクされています。
- サプライチェーン情報が含まれているローカルライブラリから配置した部品 - メーカー名や part number が含まれている部品(例えば、この情報が含まれている会社のデータベースライブラリから配置した部品)について、ActiveBOM では、Altium Parts Provider からその部品を検索できます。これを行うには、どのコンポーネントパラメータにメーカーの詳細情報が含まれているか、ActiveBOM で認識する必要があります。ActiveBOM Properties パネルの Manufacturer Link ボタンをクリックして、Define Manufacturer Link Fields ダイアログ(ここで、メーカーの詳細情報が含まれている部品パラメータを定義します)を表示します。それから、ActiveBOM ボタンをクリックして検索を開始します。この検索プロセスは、多数の部品があると、時間がかかることに注意してください。詳細な情報については、Configuring the Manufacturer Link Fields の項目を参照してください。
- サプライチェーン情報が含まれていないローカルライブラリから配置した部品 - これらの部品は、サプライチェーン情報を追加できます:
- 設計中 - 部品(サプライヤー)検索機能(Part Search パネルから実行できます)を使用して。
- BOM で直接 - ActiveBOM で manual solution を追加 して。この方法の利点は、回路設計プロセスからサプライチェーン定義プロセスを切り分けると言うことです。
サプライチェーンデータは、Altium Parts Provider から利用できます。Altium Parts Provider では、世界中に分布した膨大なコンポーネントサプライヤーの詳細情報を利用できます。利用できるサプライヤーは、2 つのレベルで設定します:
- Altium NEXUS のソフトウェア全体に関して - Preferences ダイアログの Data Management - Parts Provider ページでサプライヤーを設定。
- 現在のプロジェクトに関して - ActiveBOM Properties パネルで Favorite Suppliers List ボタンをクリックし、このプロジェクトで利用したいサプライヤーを定義します。詳細な情報については、Favorite Suppliers ダイアログページを参照してください。
Manufacturer Link 欄の設定
管理されていない部品(Managed Content Server、または Altium Content Vault から配置されていない部品)がある場合、ActiveBOM では、コンポーネントのパラメータに、メーカーや part number の詳細が含まれていれば、適切なサプライヤーを自動で検索できます。ActiveBOM が、管理されていない部品のサプライチェーンの詳細をAltium Parts Provider で確認できるようにするには、部品のどのパラメータに、Manufacturer Name や Manufacturer Part Number が含まれているか認識する必要があります。これらは、Define Manufacturer Link Fields ダイアログで設定します。Manufacturer Link ボタンをクリックして、ダイアログを表示します。複数の名称 / Part Number パラメータのペアを定義できます。
詳細については、Define Manufacturer Link Fields ダイアログページを参照してください。
新しいソリューションの追加
manufacturer と manufacturer part number の組み合わせは(その部品を提供できるサプライヤーの詳細を含む)、ソリューションと呼ばれます。下図は、BOM Item の 2 つのソリューションを示します。
Manual Solution の追加
ActiveBOM で自動で検出されるソリューションと同様に、BOM Item へ manual solution を追加できます。
manual solution を追加するには、Supply Chain ソリューションの上にある ボタンをクリックし、Add Manual Solution コマンドを選択します。Add New Parts Choice ダイアログが表示されます。そこで、サプライヤーを検索し、適切な部品を追加できます。
ActiveBOM での manual solution は、サプライヤー中心になります。つまり、部品を追加すると、選択したサプライヤーのみが追加されます。SPN は、下図に示すように、他のソリューションを追加し、同じ MPN を選択して、同じソリューションへ追加できます。この画像で、2 つの異なる MPN が、2 つのソリューションに追加されています。それから、各 MPN の 2 番目のサプライヤーが、それぞれに追加されています。
manual solution は、下図に示すように、SPN の三角形のアイコンをクリックして、削除、またはそのプロパティを編集できます。Edit コマンドを選択すると、manual solution を追加するために使用した時と同じダイアログが再度、表示されます。そこで、新しい検索を行い、新しい MPN やサプライヤーを探すことができます。
Part Choice List の作成 / 編集
管理されたコンポーネント(Managed Content Server にあるコンポーネント)のソリューションの詳細は、各アイテムの Parts Choice List (PCL) に表示されます。追加のソリューションは、ActiveBOM の » Create/Edit PCL コマンドを使用して、PCL へ追加し、管理された部品へ追加できます。
このコマンドにより、Part Choices ダイアログが表示されます。そこで、以下が可能です:
- ダイアログの左の欄を使用して、manufacturer parts を検索、追加。
- ダイアログの右の Manufacturer Part Choices リストの下部にある Remove ボタンを使用して、Part Choice List から既存のソリューションを削除。
ActiveBOM は、バリアントが含まれている PCB プロジェクトを対応しています。バリアント機能は、1 つのベースの PCB デザインで、様々な実装状態を定義(読み込み)できます。様々な実装基板の状態を読み込めるこの機能は、バリアント と呼ばれます。
バリアントの作業:
- バリアントは、Variant Management ダイアログ (Project » Variants) で設定します。
- バリアントを調べるには、下図に示すように、Projects パネル内にあるプロジェクトの Variants フォルダ内の名称をダブルクリックします。
ActiveBOM は、バリアントの以下の方法を対応しています:
- Base view モード、または Flat view モードで特定のバリアントの BOM を表示
- BOM Items リストで Not Fitted アイテムを含めるオプション
- Consolidated view モードで、全てのバリアントに使用した全ての部品の統合されたリストを表示
- ベースコンポーネントや相違するコンポーネントの manual solution を定義
Base View モードでのバリアント
選択したバリアントの部品を BOM Items 表に含めるには、Properties パネルの Show Not Fitted オプションを有効にします。このオプションを有効にすると、Fitted 列は、Item Detailsに自動で表示されます。
Base view モードでは、Fitted 列に、Fitted
、または Not Fitted
のいずれかが表示されます。部品に相違がある(このバリアントで、代替部品が選択されている)場合、代替部品の詳細は、自動でその BOM Item に表示されます。
Consolidated View モードでのバリアント
Consolidated view モードでは、全てのバリアントで使用した全てのコンポーネントが表示されます。Consolidated view では、以下の機能があります:
- コンポーネントに相違がある(代替部品をバリアントで設定している)場合、各 BOM Item には、同じデジグネータが割り当てられ、使用される代替コンポーネントごとに BOM Item があります。例えば、下図で、BGA バリアントでは、TSOP バリアントと異なる色の LED を使用するので、コンポーネント DS1 と DS2 は、リスト内に 2 つあります。コンポーネント R1 は、3 つあります。これは、BGA と TSOP バリアントは、ベースデザインのオリジナルの値と異なる値の抵抗を使用するためです。
- Consolidated view モードでは、Show Not Fitted オプションが有効な時、Fitted 列には、
Fitted
、またはVaried
が表示されます。Consolidated view では、全てのバリアントで使用されている全てのコンポーネントが表示されるためです。 - 各バリアントには、<VariantName> - Qty 列(このバリアントで、このコンポーネントがいくつ使用されているかを示す)と<VariantName> - Price 列(unit price に quantity 列の値を掛けたもの)があります。
- いくつかの設計者は、ベースデザインやバリアントからドキュメントを作成するため、Quantity 列(ベースデザインで使用するコンポーネント数を反映)もあります。ベースデザインからドキュメントを生成しない場合、この列を非表示にします。
バリアントの詳細については、Design Variants ページを参照してください。
BomDoc、回路図、PCB 間の作業
BomDoc、回路図、PCB デザイン間での作業を手助けできる 2 つの機能があります: クロスセレクトとクロスプローブ。これらの機能の動作は、Preferences ダイアログのSystem - Navigation ページで設定します。
これらの機能は、他のドキュメントで同じコンポーネント(目的のコンポーネントに相当するコンポーネント)を見つけるために使用できます。クロスセレクトとクロスプローブの違いは、クロスセレクトモードは、対象のドキュメントでコンポーネントをセレクトしますが、そのドキュメントはアクティブにはなりません。クロスプローブは、対象のドキュメントをアクティブにし、対象のドキュメントのエディタを切り換えることもできます。
BomDoc から回路図や PCB へクロスセレクト、またはクロスプローブできます。回路図、または PCB から BomDoc へクロスセレクト、またはクロスプローブすることはできません。
クロスセレクト モード
クロスセレクト モードは、使用したい各エディタで有効にする必要があります。Tools » Cross Select Mode コマンド (Shift+Ctrl+X) を選択します。クロスセレクト モードを有効にすると、そのメニューアイコンの外形が、ハイライト表示されます 。
クロスセレクト モードは、対象のドキュメントを開く必要があります。BomDoc の BOM Item リスト内のコンポーネントをセレクトした時、そのコンポーネントはセレクトされ、対象の回路図や PCB ドキュメントで中央にズーム表示されます(Preferences ダイアログの Cross Select Mode オプションで Zooming が有効の場合)。対象のドキュメントは、アクティブドキュメントとして表示されないことに注意してください。
BomDoc が Base view モードの場合、下図に示すように、その部品に相当する全ての部品が、回路図や PCB でセレクトされます。
クロスプローブ
クロスセレクトは単純なモードで、有効にすると、BOM Items リストをクリックする度に結果が表示されます。クロスプローブは、よく考えられた動作です。
BOM Item を右クリックし、メニューから Cross Probe を選択すると、回路図上のそのコンポーネントへクロスプローブできます。PCBファイルを開いている場合、PCBコンポーネントもクロスプローブされます。
クロスプローブの重要な特徴は、対象のドキュメントのエディタへ切り換える機能です。クロスプローブしエディタを切り換えるには、Cross Probe コマンドを選択した後、Ctrl キーを押したままクリックします。
BOM の生成
BOM は、ActiveBOM エディタから直接、生成できます。Reports » Bill of Materials コマンドを選択して、Report Manager ダイアログを表示し BOM を生成します。
Report Manager は、標準の BOM 出力設定ダイアログ(回路図、または PCB エディタの Report メニューから Bill of Materials を選択した時、または OutputJob で BOM を設定した時に表示されるダイアログと同じ)です。
以下の時、Report Manager は、BomDocで現在、表示されている列と同じ状態で自動で表示されます:
- BomDoc から Report Manager を開いた時
- プロジェクトに BomDoc があり、回路図、または PCB エディタの Reports メニューから Report Manager を開いた時
- 出力ジョブのデータソースを
ActiveBOM Document
に設定した場合
Report Manager の設定に関する詳細については、BOM Configuration in the Report Manager を参照してください。
設計データを BOM へマッピング
設計データは、基板設計プロセスから Excel Bill Of Materials へ渡すことができます(作成中に BOM へ適用される Excel テンプレートに Field や Column 宣言を含めることで)。
- Fields - Field 宣言は、システムパラメータ、ドキュメントパラメータ、プロジェクトパラメータを BOM へ渡すために使用します。例えば、filenames、quantity、currency 等です。また、BOM に一度、表示する必要があること等です。Field 宣言は、下図に示すように、渡された値に置き換えられます。
- Columns - Column 宣言は、全ての BOM Item に表示する情報を渡すために使用します。例えば、designator、description、ユーザ定義のパラメータ等です。これには、行番号、PCB 位置データ、BomDoc へ入力したカスタム列データも含まれます。Column 宣言は、下図に示すように、ColumnName 文字列に置き換えられ、その下の各行に BOM Item のその列の値が表示されます。
詳細については、Including Design Data in the Excel BOM を参照してください。