Vault ベースの領域モデル

現在、バージョン 18.0. をご覧頂いています。最新情報については、バージョン Vault ベースの領域モデル の 17.1 をご覧ください。

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設計者の面から、vault ベースのコンポーネントには、1 つの実体内で全ての設計領域に渡ってコンポーネントを表現するために必要な全ての情報があります。そのため、それはコンテナとして考えることができます。全ての領域モデルとパラメータ情報を保存する 'バケツ' です。 

様々な領域内の表現に関して、vault ベースのコンポーネントは領域モデル自体は含まれずこれらのモデルへリンクします。これらのリンクは、ソースコンポーネント定義(そこからリリースした Component Item は生成されます)として設計側で指定します。vault ベースのコンポーネントを定義 、リリースするプロセスを調べる前に、最初に領域モデル自体を作成、リリースする必要があります。 

以下の項目では、これらの領域モデルを vault へ作成、リリースする方法の詳細を説明します。 

回路図シンボル

設計側の Schematic Library document (*.SchLib) 内で描画された回路図シンボルは、Altium Vault 内の Schematic Symbol Item へマップされます。ライブラリの各リリースは、Item の新しいレビジョンへシンボルモデルデータを保存します。 

最初に、新しい Schematic Library file (File»New»Library»Schematic Library) を作成し、必要に応じてシンボルを追加/描画します。1 つのライブラリに、vault で固有の Item へリンクした複数のシンボルを含めるかもしれません。  

1 つのライブラリに複数のシンボルを含めることができますが、バージョンコントロールの面からライブラリファイルごとに 1 つのシンボルを含める方法がベストです。これは、全体、1 つのソースへバージョン変更を登録しないでチェックアウトしてシンボルを修正できます。回路図ソースライブラリを個々のライブラリ(1 つの回路図シンボル)へ分割するツールは、移行ツールとして コンポーネント リリースマネージャ から利用できます。  

ここで注意する重要なことは、回路図シンボル(回路図編集領域内で vault ベースのコンポーネントを表します)を作成していると言うことです。それは、他のモデルやパラメータを含む統合ライブラリで使用するような '回路図コンポーネント' ではありません。vault ベースのコンポーネントはシンボルのグラフィカルな描写のみ必要とし、他の領域モデルやパラメータを含みます。 

シンボルを古いライブラリソースから利用する場合、リンクしたモデルやパラメータを削除する必要はありません。システムは、vault へシンボルをリリースする時にこれらを削除します。この '削除' はリリースしたデータへ適用します(設計側のソース回路図コンポーネントの定義は変わらず、他のコンポーネントが含まれるライブラリや、Altium Designer でサポートしたライブラリ管理 methodology を使用できます)。  

シンボルを描画したらライブラリを保存します。 

回路図ライブラリファイル内の回路図シンボルの例。

これでライブラリをリリースできます。以下のステップを実行します:

  1. 回路図ライブラリファイルを vault や vault 内の特定のフォルダへリンクします。 
     
  2. シンボルを次のレビジョンの Item へリリースします。 

ライブラリを Vault へリンク

回路図ライブラリを vault へリンクするには、Library Editor Workspace ダイアログで実行します。File»Link Library to Vault コマンドを使用して、このダイアログの Link To Vault オプションを有効にします。これにより、リンクをコントロールできます。 

Library Editor Workspace ダイアログを使用して、vault や vault 内のフォルダへ回路図ライブラリをリンク。 

リリースしたデータ(ライブラリ内のシンボル)を保存したい vault を指定するには、Target Vault 欄を使用します。現在、接続できる全ての vault がドロップダウンに表示されます。vault へ接続していない場合、Vault Admin ボタンをクリックして Preferences ダイアログの Data Management – Vaults ページを表示します。そこから、vault へ接続できます。 

リリースされているシンボルの Item を作成するフォルダを指定するには、Target Folder 欄を使用します。Choose ボタンをクリックして Choose Folder ダイアログを表示します。このダイアログでは、vault 内のフォルダの詳細が表示されます。vault 内の既存のフォルダを閲覧、選択するか、または新しいフォルダを追加します。フォルダを選択して Show in Explorer ボタンを使用すると、Vaults パネルを素早く表示できます。  

リリースした回路図シンボル Item を作成するためのフォルダを選択。 

シンボルを保存するフォルダを作成している時、フォルダのタイプを指定できます。これは、フォルダの content とは関係ありません(リリースしている回路図シンボルは常に回路図シンボル Item になります)。それは、vault で特定の content を閲覧している時、フォルダに保存する視覚的な '目印' になります。回路図シンボル Item のコンテナとしてフォルダの使用方法を指定するには、Folder Type を altium-symbol-library として設定します。 

vault を閲覧している時、フォルダの content の視覚的な目印となるフォルダタイプを指定!

フォルダの他の重要な面は、Item Naming Scheme です。これは、特定のフォルダで作成した各 Item に固有の ID のフォーマットを定義します。フォルダタイプ、または content タイプのどちらかで短い形式のコードを利用して、様々なサンプルの方針を利用できます。デフォルトの naming scheme を使用して、ソフトウェアは自動で次の固有の ID を割り当てます(その scheme に基づいて、全体の vault や既存 Item の識別子をスキャンします)。もちろん、その欄で入力してフォルダの scheme を自身で作成できます。変化する部分は大括弧で囲います (例えば、SYMBOL-001-{J000})。 

フォルダの Item Naming Scheme には、そのフォルダで作成した回路図シンボル Item のために固有の ID が適用されます。

いつでも、フォルダに使用した naming scheme を変更できます。新しく定義した scheme は、その後にそのフォルダ内で新しく作成した回路図シンボル Item へ適用されます。

作成した Item に使用するライフサイクル管理と、そのレビジョンに使用する naming scheme のタイプを選択するには、Lifecycle Definition と Revision Naming 欄を使用します。

必要に応じて、vault へのリンクを定義した後、OK をクリックします。そのリンクは、回路図ライブラリドキュメントに作成、保存されます。メイン Tools メニューから Document Options コマンドを使用して、いつでもこの情報を Library Editor Workspace ダイアログに表示できます。 

Tools»Component Properties コマンドを使用している時、シンボルレベルでリンクの形跡を見ることができます。表示されるダイアログは、以前の Library Component Properties ではなく Schematic Symbol Properties と言う名称です。Models 欄は無く、Library Link 欄は Vault Links 欄に置き換わっています。この情報は、シンボルが vault へリリースされたら表示されます。 

親ライブラリファイルが vault へリンクした場合、以前の Library Link 欄は Vault Links 欄に置き換わりますが、symbol reference は新しい Symbol Name 欄で利用できます。そのため、必要に応じてリンクした後、いつでもシンボル名を変更できます。 

ライブラリファイルを保存します。これで、ライブラリをリリースする準備ができました。

シンボルを Vault へリリース

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vault (フォルダ)へリンクして、ライブラリ内のシンボルをリリースできます。これを行うには、File»Release To <TargetVaultName> Vault コマンドを使用します。Component Release Manager ダイアログが表示されます。これは、Component Release Manager ダイアログの修正版で、この違いは、指定したソースフォルダ内の複数のライブラリをバッチリリースするのではなく、1 つのアクティブライブラリドキュメントをリリースするために使用されることです。 

Component Release Manager を使用して、アクティブライブラリドキュメント内のソースシンボルをリリース。

ライブラリドキュメントの content (回路図シンボル)は、ダイアログのメインの領域にリスト表示されます。そのリストには、ソースの実体がリリースプロセスに含まれる場合の動作や、ソースシンボルと vault ベースの Item 間のリンクに関連する情報が表示されます。リスト内のソースシンボルを考慮して、以下の情報が表示されます:

  • Target – この領域には、Item へのリンクに関する情報が表示されます。それは、既にリリースしてある場合は表示され、最初のリリースを待っている場合はこれから表示されるようになります。それは、vault、vault 内のフォルダ、Item 自体の ID から成ります。 
  • Current Revision – ソースシンボルが以前にリリースされていた場合、この領域には、最新のリリースしたレビジョンについての情報(レビジョン ID とライフサイクル状態)が表示されます。 
  • Next Revision – この領域には、ソースシンボルのリリースからデータを受け取るために作成される Item の次のレビジョンについての情報が表示されます。そこには、そのレビジョンのレビジョン ID とライフサイクル状態が表示されます。新しいリリースでは常に Planned 状態になります。 
  • Action – この領域には、Release Manager で行う特定のシンボルについての動作が表示されます。リリースされていない実体については、この欄は Create New Item として表示されます。Status 欄は、そのプロセスの次のステップを示すために使用します(例えば、Requires Release Preparation)。リリースプロセスが完了したら、その結果が反映されます。 
  • Enable – このチェックボックスは、シンボルをリリースプロセスに含める(チェックを入れる)か、またはリリースプロセスから除外する(チェックを外す)かどうかコントロールします。 

vault で新しい Item を作成している時、上部にある Document Options の領域にはデフォルトオプションが表示されます。vault 自体はここで変更できませんが、リリースする vault フォルダや、Item Naming、Item Revision Naming、Lifecycle Definition に使用する様々な scheme を含む他の情報を変更できます。 

Item Naming に関して、ここで設定したものは、vault 内でフォルダレベルで設定したものを無視します。デフォルトの naming scheme がここに表示されます(ソース回路図ライブラリ ($COMPONENT_NAME) で指定したコンポーネント名を使用して名称を付けた Item を作成するための scheme を含みます)。 

base level Item (Item ID の開始点)を指定するには、First Index 欄を使用します。vault 内の既存の Item で、選択したItem Naming scheme を使用する場合、その scheme で利用できる次の index を自動で使用するようにこの index を 0 のままにしておくことができます。  

リスト上部にあるコントロールを使用して document option を変更する場合、正しくリンクして、動作情報を表示するために再分析する必要があります。Analyze Document ボタンをクリックします。

vault へリリースする前に、リリースする実態があるドキュメントと Item をリリースするために準備する必要があります。これを行うには、Analyze Document ボタンの右にある Prepare Items and Document ボタンをクリックします。

vault 側で、Planned 状態の最初のレビジョンとして Item が作成されます。既存の Item へ再リリースしている場合、次の planned レビジョンが作成されます。リリースプロセスを終了できる状態になる前に、vault へリリースしている人が同じ ID で Item を作成、または既存の Item の同じレビジョンへリリースできないように、Item と固有のID はロックされるのでこれは、重要です!

ドキュメント側で、ソースライブラリドキュメントはリンク情報と一緒に保存されます。これは、Item naming、lifecycle definition、revision naming scheme を含む vault やフォルダへのリンクです。最下位レベルで、ライブラリ内の各実体はそれに相当する vault (リリースデータを受け取り保存します)内の Item のレビジョンへそれをリンクする情報を保存します。  

準備段階が完了したら、Action-Status 欄は Ready To Release と表示されます。 

リリースの準備ができたドキュメントで、Release Items ボタンを利用できます。リリースしないシンボルがあるとわかった場合、Enable チェックボックスのチェックを外せます。 

ドキュメントを準備した後、リリース前に Component Release Manager を閉じるよう warning ダイアログが表示されます。新しい item レビジョン(準備段階としてソースライブラリドキュメントへ書き込まれた)へのリンクが無効になると警告されます。この段階でリリースすることを推奨します。 

Release Items ボタンをクリックします。Confirm Release ダイアログが表示され、リリースの動作を確認できます。リリースの動作に問題無い場合、OK を押してリリースします。 

リリースプロセスで行われる動作を確認。 

Component Release Manager ダイアログに戻って、有効にした Action-Status 欄は Release Running... と表示されます。プロセスが完了すると、Action-Status 欄は Release Succeeded (リリースが成功したら)に変わります。 

ソース回路図ドキュメントからシンボルをリリースした例。 

リリースした後、シンボルをマップする Item に関する情報は Schematic Symbol Properties ダイアログの Vault Links 欄に表示されます。Vaults パネルを使用して vault で直接、リリースしたシンボルを閲覧するには、Show in Explorer ボタンをクリックします。 

vault 内のシンボルにマップした Item に関する情報を表示した例。vault 内で直接、リリースした Item を閲覧するには、Vaults パネルを表示します。 

複数のシンボルを含むライブラリドキュメントをリリースする時、リリースプロセスではライブラリを分割します。リリースしたシンボルについて、vault に保存したリリースしたデータはモデル定義(Symbol Reference と同じ名称の回路図ライブラリファイルに保存された)から成ります。そのため、Diodes.SchLib と言う名称のライブラリ内にある設計側で保存した D_Schottky と言う名称のシンボルについて、リリースしたデータは、特定のシンボル (D_Schottky) のみ含む D_Schottky.SchLib と言う名称の 1 つのライブラリファイルになります。設計側で既にライブラリドキュメントを分割してある(従って、1 つのシンボルのみがあるライブラリをリリースしている)時、リリースデータはそのライブラリドキュメントのスナップショット(ソースドキュメントやそれに依存するドキュメント)になります。  

Vault へシンボルを再リリース

ライブラリ内のシンボルは、ソース回路図ライブラリドキュメントを vault (やその中のフォルダ)へリンクして容易に再リリース(どんな修正も考慮)できます。必要に応じて、シンボルを変更しライブラリファイルを保存して、File»Release To <TargetVaultName> Vault コマンドをクリックします。 

ソースライブラリドキュメント、リンクしたフォルダ、Item は同期され、Component Release Manager ダイアログへ更新したリンク、status 情報が表示されます。そして、ライブラリやシンボルを再リリースする準備が整います。再リリースするシンボルのための Action は、To New Revision として表示されます。  

ソースライブラリドキュメントは同期され、選択したシンボルを再リリースするための情報が表示されます。 

デフォルトでは、リストの全ての項目は無効になっていることに注意してください。必要に応じて、再リリースのために選択した項目、または全ての項目を有効にするには、右クリックメニューの複数の選択機能を使用します。それから、Prepare Items and Documents をクリックしてから Release Items をクリックし再リリースします。 

Released Item へのリンクを削除し再構築 

ソース回路図ライブラリに従来の方法で定義したコンポーネント(パラメータやモデルリンクを含む)がある場合、他のコンポーネント管理 methodology で使用できます。そのため、vault へリンクしリリースできます。それから、IntLib、または DbLib/SVNDbLib として独立したライブラリを使用します。しかし、モデルリンクが定義されていない、またはライブラリの分割プロセスで削除されてしまった場合、ソースシンボルが vault 内の回路図シンボル Item へリンクされている時にそれらを追加できません。DbLib、または SVNDbLib を使用したい(独立した、または統合ライブラリの SchLib を使用しない)場合、問題ありません。モデルリンクを追加するには、vault とのリンクを切断する必要があります。 

その他に、シンボルと既存の vault Item 間のリンクを切断する必要があるのは、新しい Item へ再度、リリースする必要がある場合かもしれません。例えば、以前にリリースしたが vault から Item を削除した場合や、別の vault へソースライブラリをリリースする必要がある場合、ソースライブラリには定義したリンクがまだあります(しかし、vault Item が見つからない場合は無効)。    

vault へのリンクを切断するには以下の 2 つの方法があります:

  1. Library Editor Workspace ダイアログで Link To Vault オプションを無効にします。 
     
  2. Component Release Manager のリストで右クリックし、Clear Vault Links In Documents コマンドを選択します。 

これにより Schematic Symbol Properties ダイアログを Library Component Properties ダイアログに戻します。 

既にシンボルをリリースしていた場合、この方法はソースシンボルとリリースした回路図シンボル Item は互いに認識できません。ソースライブラリドキュメントとリリースした Item 間のオリジナルのリンクを再構築する必要がある場合、以下を実行する必要があります:

  • vault (オリジナルのリリースした回路図シンボル Item を含む)内の同じフォルダへリンクを戻します。 
     

    ソース回路図ライブラリはオリジナルのフォルダへリンクされます。 
  • Schematic Symbol Properties ダイアログの Vault Links 領域から Item (と最新のレビジョン)を選択して、オリジナルのリリースした Item を含むソースシンボルを再リンクします。これを行わない場合、同じソースシンボルを vault 内の別の Item や新しい Item へリリースできます。 
     

    vault へソースライブラリを再リンクする時、シンボルはオリジナルのリリースした Item(と最新のレビジョン)へマップされます。 

この方法でソース回路図ライブラリ内のシンボルのリンクを再構築する場合(特に、ライブラリに多くのシンボルがある場合)、時間がかかります。これは、ソースライブラリをリリースする前に分割すると軽減できます。しかし、vault へのリンクを遮断することは賢明ではありません(必要な場合のみ実行すべきです)。 

コンポーネントライブラリの生成

Component Release Manager は、回路図コンポーネントライブラリで保存したコンポーネントの移行を手助けするツールです。これには、SCHLIB を 1 つの回路図コンポーネントのライブラリに分割するスプリッタが含まれています。そして、ソース回路図ライブラリから自動でコンポーネントライブラリを生成するためのツールです。 

後者は、Migration Tools ドロップダウンメニューで Generate Component Libraries コマンドを使用して実行します。各コンポーネント定義は、回路図シンボル Item やパラメータデータへリンクして回路図コンポーネントに基づいて作成されます。  

コンポーネント定義を作成するソース回路図コンポーネントは、vault へリリースする必要があります。これは、コンポーネント定義で追加、参照するリリースした Item (回路図シンボル Item)へリンクするために必要です。

詳細な情報については、Automated Generation of CmpLibs をご覧ください。

PCB 2D/3D コンポーネントモデル

設計側で PCB Library document (*.PcbLib) 内の PCB 2D/3D コンポーネントモデルは、Altium Vault 内 のPCB Component Item へマップされます。ライブラリの各リリースでは、モデルデータをその Item の新しいレビジョンへ保存します。 

最初に、新しい PCB Library file (File»New»Library»PCB Library) を作成し、必要に応じて 2D フットプリントを追加/描画します。また、3D 外形情報を各フットプリントへ追加します。vault 内の固有の Item へ個別にリンクした PCB 2D/3D コンポーネントモデルを、ライブラリに含めるかもしれません。  

1 つのライブラリに複数のモデルを含めることができますが、バージョンコントロールの面からライブラリファイルごとに 1 つのモデルを割り当てる方法がベストです。これは、全体、1 つのソースへバージョン変更を登録しないでモデルをチェックアウトして修正できます。PCB ソースライブラリを個々のライブラリ(1 つの 2D/3D コンポーネントモデルを含む)へ分割するツールは、コンポーネント リリースマネージャ (移行ツールとして)から利用できます。 

必要に応じてモデルを描画したら、ライブラリを保存します。

PCB ライブラリファイル内の 2D PCB フットプリントの例。 

ライブラリをリリースできます。これを行うには、以下のステップを実行します:

  1. PCB ライブラリファイルを vault と vault 内の特定のフォルダへリンクします。
     
  2. モデルを Item の次のレビジョンへリリースします。 

Vault へライブラリをリンク

PCB ライブラリを vault へリンクするには Board Options ダイアログで実行します。File»Link Library to Vault コマンドを使用して、このダイアログの Link To Vault オプションを有効にします。これにより、リンクをコントロールできます。 

Board Options ダイアログを使用して、PCB ライブラリを vault と vault 内のフォルダへリンク。 

リリースしたデータ(ライブラリ内のモデルのために)を保存したい vault を指定するには、Target Vault 欄を使用します。現在、接続している全ての vault がドロップダウンに表示されます。vault へ接続していない場合、Vault Admin ボタンをクリックして Preferences ダイアログの Data Management – Vaults ページを表示します。そこから、vault へ接続できます。 

リリースするモデルの Item を作成するフォルダを指定するには、Target Folder 欄を使用します。Choose ボタンをクリックして Choose Folder ダイアログを表示します。このダイアログには vault のフォルダを指定する画面があります。vault 内の既存のフォルダを選択するか、または新しいフォルダを追加します。Show in Explorer ボタンを使用すると、Vaults パネルを素早く表示できます。  

リリースした PCB Component Items を作成するフォルダを選択。

モデルを保存するフォルダを作成する時、フォルダのタイプを指定できます。これは、フォルダの content と関係ありません(リリースしている PCB 2D/3D モデルは常に PCB Component Item になります)。それは、特定の content について vault を閲覧している時、フォルダに保存するものに関する視覚的な '目印' です。PCB Component Item のためのコンテナとして使用するフォルダを指定するには、Folder Type を altium-pcb-component-library として設定します。   

vault を閲覧している時、フォルダの content の視覚的な目印となるフォルダタイプを指定!

フォルダのその他の重要な面は Item Naming Scheme です。これは、特定のフォルダで作成した各 Item の固有の ID のフォーマットを定義します。短い形式のコードを使用して、様々なサンプルの scheme を利用できます。デフォルトの naming scheme を使用して、ソフトウェアは自動で次の固有の ID を割り当てます(全体の vault や既存の Item の識別子をスキャンし、その scheme に基づいて)。フォルダの scheme は、その欄に入力して自身で作成できます(変化する個所は大括弧で囲います(例えば、PCBMODEL-001-{J000}))。  

フォルダの Item Naming Scheme は、そのフォルダで作成した各 PCB Component Item の固有の ID に適用されます。 

いつでもフォルダに使用した naming scheme を変更できます。新しく定義した scheme は、その後に新しく作成する PCB Component Item へ適用されます。 

作成した Item に使用するライフサイクル管理と、レビジョンに使用した naming scheme のタイプを選択するには、Lifecycle DefinitionRevision Naming 欄を使用します。

必要に応じて、vault へリンクを定義した後、OK をクリックします。リンクは、PCB Library ドキュメントで作成、保存されます。いつでも、この情報を Board Options ダイアログ(Tools メニューから Library Options コマンドを選択)に表示できます。 

個々のモデルレベルで、リンクは PCB Library Component ダイアログ (Tools»Component Properties) の Footprint Link 領域で確認できます。新しいリリースしていないモデルでは、モデルを vault へリリースしたらこの情報が表示されます。 

vault へリンクされた親ライブラリファイル。  

ライブラリファイルを保存します。ライブラリをリリースする準備ができました。

Vault へモデルをリリース

Related article: コンポーネント リリースマネージャ

vault (その中のフォルダ)へリンクして、ライブラリ内のモデルをリリースできます。これを行うには、File»Release To <TargetVaultName> Vault コマンドを使用します。Component Release Manager ダイアログが表示されます。これは、Component Release Manager ダイアログを修正したバージョンです。この違いは、指定したソースフォルダ内の複数のライブラリをバッチリリースするのではなく、1 つのアクティブライブラリドキュメントをリリースするために使用すると言うことです。 

Component Release Manager を使用して、アクティブライブラリドキュメント内のソースモデルをリリース。

ライブラリドキュメントの content (2D/3D コンポーネントモデル)は、ダイアログのメイン領域にリスト表示されます。リストには、ソースの実体がリリースプロセスに含まれる場合に実行される動作と、ソースモデルと vault ベースの Item 間のリンクに関する情報が表示されます。リスト内のソースモデルの項目では以下の情報が表示されます:

  • Target – この項目には、既に確立した(既にリリースした場合)、またはこれから確立する(最初のリリースを待っている場合) Item へのリンクに関する情報が表示されます。それは、vault、vault 内のフォルダ、Item 自体の ID から成ります。 
  • Current Revision – ソースモデルを以前にリリースした場合、この項目には最新のリリースしたレビジョン(レビジョン ID とライフサイクル状態)に関する情報が表示されます。 
  • Next Revision – この項目には、Item (ソースモデルの以降のリリースからデータを受け取るために作成される)の次のレビジョンに関する情報が表示されます。それには、レビジョン ID とそのレビジョンのライフサイクル状態が反映されます。新しいリリースは、常に Planned 状態になります。 
  • Action – この項目には、特定のモデルについて Release Manager で実行される動作が表示されます。まだ、リリースされていない実体については、Create New Item と表示されます。Status 欄には、プロセス(例えば、Requires Release Preparation)で実行される次のステップが表示されます。そして、リリースプロセスが完了するとその結果が反映されます。
  • Enable – このチェックボックスは、モデルをリリースプロセスに含める(チェックを入れる)か、またはプロセスから除外する(チェックを外す)かどうかコントロールします。 

vault で新しい Item を作成している時、リストの上部にある Document Options 領域にデフォルトオプションが表示されます。vault 自体はここで変更できませんが、リリースするフォルダ、Item Naming、Item Revision Naming、Lifecycle Definition に使用した様々な scheme を含む他の情報を変更できます。 

Item Naming に関して、vault 内で設定した内容はここで設定した内容で上書きされます。デフォルトの naming scheme や、Item (ソース PCB ライブラリ ($COMPONENT_NAME) で指定したコンポーネント名で名称が付けられた)を作成する scheme はここで選択します。 

ベースレベルItem (割り当てた Item ID の開始点)を指定するには、First Index 欄を使用します。vault 内の既存のItem で、選択した Item Naming scheme を使用する場合、scheme 内の次のインデックスを自動で使用するようこのインデックスは 0 のままにできます。  

リスト上部にあるコントロールを使用して document options を変更する場合、正しくリンクするために再分析する必要があります。そして、action 情報が計算され表示されます。ダイアログの左下にこれを示す情報が表示されます。Analyze Document ボタンをクリックします。 

vault へリリースする前に、リリースする実体のドキュメントや Item を最初に準備する必要があります。これを行うには、Analyze Document ボタンの右にある Prepare Items and Document ボタンをクリックします。 

vault 側で Item は作成されます(最初は Planned 状態のレビジョン)。既存の Item へ再リリースしている時、次の planned レビジョンが作成されます。それらに割り当てた Item と固有の ID はロックされます(リリースプロセスを終了する前に、vault へリリースする人が誰も同じ ID の Item を作成できない、または既存の Item の同じレビジョンへリリースできないように)!

ドキュメント側で、ソースライブラリドキュメントはリンク情報と共に保存されます。これは、Item naming、lifecycle definition、revision naming scheme を含む vault やフォルダへのリンクです。最下位レベルで、ライブラリ内の各実体は vault (リリースデータを受け取り保存する)内の Item のレビジョンへそれをリンクする情報を保存します。 

準備段階が完了すると、Action-Status 欄は Ready To Release と表示されます。 

リリースの準備ができたドキュメントで Release Items ボタンを利用できます。リリースしないモデルがあると知っている場合、この時に Enable チェックボックスのチェックを外すことができます。 

ドキュメントを準備した後、リリースする前に Component Release Manager を閉じる場合、ワーニングが表示されます。新しい item レビジョン(準備段階でソースライブラリドキュメントへ書かれた)へのリンクは無効になると警告されます。この段階でリリースすることを推奨します。 

Release Items ボタンをクリックします。Confirm Release ダイアログが表示されリリースする動作を確認できます。リリースする動作に問題無い場合、OK を押してリリースします。 

リリースプロセスで実行する動作を確認。 

Component Release Manager ダイアログに戻ると、Action-Status 欄は Release Running... と表示されます。プロセスが終了すると、Action-Status 欄は Release Succeeded (リリースが成功したことを表します)に変わります。  

ソース PCB ライブラリドキュメントからモデルのリリースが成功した例。 

リリース後、モデルがマップされる Item に関する情報は、PCB Library Component ダイアログの Footprint Link 領域に表示されます。Vaults パネルを使用して vault で直接、リリースしたモデルを閲覧するには、Show in Explorer ボタンをクリックします。 

vault 内のモデルをマップした Item に関する情報を表示した例。Vaults パネルを表示して、vault 内のリリースした Item を閲覧。 

複数のモデルを含むライブラリドキュメントをリリースする時、リリースプロセスではライブラリを分割します。vault に保存したリリースデータは、モデル定義(モデルの名称を使用して名称が付けられ PCB ライブラリファイルに保存されます)から成ります。そのため、Diodes.PcbLib と言う名称のライブラリ内にある設計側で保存した D_Schottky と言う名称のモデルについて、リリースしたデータは、特定のモデル (D_Schottky) のみ含む D_Schottky.PchLib と言う名称の 1 つのライブラリファイルになります。既に、設計側でライブラリドキュメントを分割してある(1 つのモデルのみあるライブラリをリリースしている)場合、リリースデータはライブラリドキュメントのスナップショット(ソースドキュメントやそれに依存するドキュメント)になります。 

Vault へモデルを再リリース

vault やその中のフォルダへリンクしたソース PCB ライブラリドキュメントについて、ライブラリ内のモデルの再リリース(どんな変更も考慮されます)は簡単なプロセスです。必要に応じてモデルを変更し、ライブラリファイルを保存します。そして、File»Release To <TargetVaultName> Vault コマンドをクリックします。  

ソースライブラリドキュメント、リンクしたフォルダ、Item は分析され、Component Release Manager ダイアログに更新したリンク、status 情報が表示されます。そして、再リリースするためのライブラリやモデルを準備します。再リリースするモデルの action は To New Revision と表示されます。 

選択したモデルを再リリースするために、ソースライブラリドキュメントが分析され、表示されます。 

リスト内の全ての項目は、最初はデフォルトでリリースが無効になっていることに注意してください。再リリースのために選択した項目、または全ての項目を有効にするには、複数選択機能を使用し右クリックメニューでコントロールします。それから、2 クリック(Prepare Items and DocumentsRelease Items)で再リリースできます。 

リリースした Item へリンクを再確立

新しい Item へ再度、リリースする必要がある場合、モデルと既存の vault Item 間のリンクを切断する必要があるかもしれません。例えば、以前にリリースして vault から Item を削除した場合、ソースライブラリには定義したリンク(しかし、vault Item が見つからないので無効)があります。ソースライブラリを別の vault へリリースする必要がある場合も同様です。 

vault へのリンクを切断するには以下の 2 つの方法があります:

  1. Board Options ダイアログで Link To Vault オプションを無効にします。 
     
  2. Component Release Manager のリストで右クリックし、Clear Vault Links In Documents コマンドを選択します。 

これにより、PCB Library Component ダイアログから Footprint Link 領域が削除されます。 

既にモデルをリリースしてある場合、この方法により効果的にソースモデルとリリースした PCB コンポーネント Item 間のリンク情報は失われます。vault 内のソースライブラリドキュメントとリリースした Item 間のオリジナルリンクを再確立する必要がある場合、以下を実行する必要があります:

  • vault 内の同じフォルダ(オリジナルのリリースした PCB コンポーネント Item を含む)へ戻ってリンクします。 
     

    ソース PCB ライブラリはオリジナルのフォルダへリンクされます。 
  • PCB Library Component ダイアログの Footprint Link 領域から Item (最新のレビジョン)を選択して、オリジナルのリリースした Item が割り当てられたソースモデルを再リンクします。これを行わない場合は、vault 内の別の(新しい) Item へ同じソースモデルをリリースすることが可能です。 
     

    vault へソースライブラリを再リンクしている時、モデルはオリジナルのリリースした Item(と最新のレビジョン)へマップされます。 

この方法でソース PCB ライブラリ内のモデルとリンクを再確立するには非常に時間がかかります(特に、ライブラリに多くのモデルが含まれている場合)。これは、リリースする前にソースライブラリを分割して軽減できます。しかし、vault へのリンクを遮断することはお薦めできません(必要な場合のみに実行すべきです)。 

複数のライブラリをリリース

Main article: コンポーネント リリースマネージャ

多くのソースライブラリが保存された領域モデルについて、ライブラリのリリースは困難な作業になります(特にライブラリを分割する場合)! このアーティクルで、Component Release Manager を使用して 1 つのアクティブライブラリドキュメントのリリースを説明しました。しかし、これは修正されたバージョンの manager です。フルバージョンは複数のソースライブラリをバッチ形式でリリースする場合に利用できます。 

File»Component Release Manager コマンドを実行します。この Component Release Manager により、回路図シンボル、または 1 つ、複数のライブラリドキュメント内に保存した PCB 2D/3D コンポーネントモデルを順番にリリースできます(同時に vault へ複数のライブラリを容易にリリースします)。 

Component Release Manager を使用して、1 つ、または複数のライブラリに保存した領域モデルをリリース。 

リリースの設定は容易ではありません:

  • リリースしたいライブラリを含めるトップレベルフォルダを示します。ライブラリは、このフォルダ内のサブフォルダに保存できます。 
  • vault を選択します。
  • 指定したトップレベル Windows フォルダに基づいて、vault でトップレベルフォルダを作成するために選択します。または、既存の vault フォルダを選択します。オプションで、Windows サブフォルダごとに vault フォルダ内のサブフォルダを作成できます。また、ソースライブラリファイルごとに vault フォルダを作成するために選択できます。 
  • vault で新しく作成した Item を適用するために Item naming、revision naming、lifecycle definition scheme を決めます。 
  • Analyze Folders ボタンをクリックします。

選択したオプションに基づいたソースライブラリフォルダや vault (や Item)フォルダの分析が行われ、content シンボル、またはモデルに関して検出されたソースライブラリがリスト表示されます。各項目には Item が表示されます(現在と/または次のレビジョンや、リリースプロセスによって実行される動作)。 

リリースしたいシンボル、またはモデルを有効にします。それから、リリースに関連したソースライブラリドキュメントへリンク情報を渡すために Prepare Items and Documents ボタンをクリックします。保存したら、Release Items ボタンをクリックしてリリースします。 

 

 

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注記

利用できる機能は、Altium 製品のアクセスレベルによって異なります。Altium Designer ソフトウェア サブスクリプション の様々なレベルに含まれる機能と、Altium 365 プラットフォーム で提供されるアプリケーションを通じて提供される機能を比較してください。

ソフトウェアの機能が見つからない場合は、Altium の営業担当者に連絡して 詳細を確認してください。