オンデマンドライセンス
Altium Designerのオンデマンドライセンスにより、ライセンスが提供される地理範囲内で、EULAで定められた条件に従って、お客様が専用のサーバーを導入することなく、グローバルなフローティングライセンスを利用できます。そのシステムは、柔軟で合理的なライセンス認証方法を提供し、オンデマンドシステムの基本として、いつでもどこでも必要に応じてほんの数回のマウスクリックでライセンスを取得できます。
さらに柔軟性を高めるため、オンデマンドライセンスは、オンデマンドとローミングという2つの異なる「モード」で使用できます。オンデマンドライセンスをどのように使用するかは、ユーザーの好みと作業スタイルによります。
サインイン
オンデマンドライセンスにアクセスして使用できるようにするには、まず安全なAltiumポータルからAltiumアカウントにサインインする必要があります。オンデマンドライセンスは、Altium管理サーバーによって管理されるという点に注意してください。便利に操作できるよう、[License Management] 画面の上部に、アカウントにアクセスするためのコントロールが用意されています。この画面を表示するには、ワークスペースの右上のコントロールをクリックし、メニューから [License Management] コマンドを選択します。[Sign in] リンクをクリックして、[Account Sign In] ダイアログを表示します。このダイアログを使用して、AltiumLiveアカウントの認証情報を入力し、[OK] をクリックします。
アカウント管理
接続、サインイン、ポータルサーバーの詳細情報は全て、[Preferences] ダイアログの [System - Account Management] ページで確認できます。このページを表示するには、[License Management] 画面の [Account Preferences] リンクをクリックします。または、[Preferences] ダイアログを表示(ワークスペース上部のコントロールをクリック)してSystemフォルダー内でそのページを参照します。
ライセンスの使用状況
サインインすると、ページの [Available Licenses] 領域に自動的に、使用できるライセンス(オンデマンド、スタンドアロン、プライベートサーバー)が表示されます。
以下の例では、現在サインインしているユーザーが使用できるオンデマンドライセンスが一覧表示されています。
各オンデマンドライセンスについて、次の情報が表示されています。
- Product Name - ライセンスの対象。この項目には、製品名が表示されます。
- Activation Code - ライセンスのアクティベーションコードです。
- Used - 自分のAltium Designerでライセンスが使用されているかだけでなく、(マルチシートライセンスの場合)誰がどのモードでライセンスを使用しているかも表示されます。他のユーザーがオンデマンドまたはローミングモードでライセンスを使用している場合は、
In Use
およびRoaming
と表示されます。 - Assigned Seat Count - ライセンスの総数と現在使用されているライセンス数。
- Expiry - ライセンスが有効とみなされなくなる日付です。
- Status - ライセンスの現在の状態です。この項目には、次のいずれかの状態が表示されます。
- OK - ライセンスは有効期限内で、使用中のライセンス数は総数を超えていません。
- Expired - ライセンスの有効期限に達しています。
- No seats left - ライセンスは使用可能ですが、現在全てのライセンスが使用中です。
- Subscription Status - そのライセンスがサブスクリプションの対象かどうか、またはサブスクリプションの期限が切れているかどうかの詳細です。
ライセンス使用モード
柔軟性を考慮して、オンデマンドライセンスは、次の項目で詳しく説明されている2つの異なるモードで操作するよう規定されています。
オンデマンド
これは、オンデマンドライセンスを最も簡単(かつ迅速)に使用するモードです。実質的にはデフォルトモードと考えられます。自分のアカウントにサインインしている間のみ、クライアントのコンピューターでオンデマンドライセンスを1本使用できます。サインアウトすると、そのライセンスが解放され、他のユーザーが使用できるようになります。
使用可能なオンデマンドライセンスをこのモードで使用するには、下図のように、一覧のライセンスをクリックし、続いて一覧の下方にある [Use] リンクをクリックします。
ライセンスの使用状況に応じて、以下のように表示が変わります。
- そのライセンスの [Used] 欄の表示が「
Used by me
」に変わります。 - ライセンスの [Assigned Seat Count] 欄が更新され、ライセンス取得後のライセンス数が反映されます。
- [Available Licenses] 領域の「バナー」が、「
Available Licenses - Unlicensed
」から「Available Licenses - Licensed to <AccountName>. License subscription valid to <SubscriptionExpiryDate>
」になります。ライセンスが関連付けられているアカウント、そのライセンスに関連する購入済みの現在のサブスクリプションの有効期限が示されます。 - その領域の左下のテキストも、ライセンスの使用状況に応じて更新されます。
ローミング
このモードでは、指定した時間、オンデマンドライセンスを使用できます。このモードでは、ライセンスを使用するために、アカウントにサインインした状態を維持する必要はありません。サインアウトしてオフラインで作業する(実質的にはライセンスを持ったまま、自由に移動する)ことができます。
使用可能なオンデマンドライセンスをこのモードで使用するには、一覧のライセンスをクリックし、続いて一覧の下方にある [Roam] リンクをクリックします。[Retain License] ダイアログが開き、そのライセンスをローミングする日数、時間、またはその両方を定義できます。
ライセンスの使用状況に応じて、以下のように表示が変わります。
- そのライセンスの [Used] 欄の表示が「
Roaming with me
」に変わります。 - ライセンスの [Assigned Seat Count] 欄が更新され、ライセンス取得後のライセンス数が反映されます。
- [Available Licenses] 領域の「バナー」が、「
Available Licenses - Unlicensed
」から「Available Licenses - Licensed to <AccountName>. License subscription valid to <SubscriptionExpiryDate>
」になります。ライセンスが関連付けられているアカウント、そのライセンスに関連する購入済みの現在のサブスクリプションの有効期限が示されます。 - その領域の左下のテキストも、ライセンスの使用状況に応じて更新されます。
オフラインでの作業
2つのオンデマンドライセンスのモードのうち、ライセンスを取得してオフラインで作業できるのはローミングモードです。サインアウトすると、[License Management] ページの [Available Licenses] 領域の一覧の表示が、「On-Demand
」のライセンスから現在(ローミングモードで)使用中の「On-Demand – Offline
」のライセンスに変わります。オフラインでの作業中は、[Assigned Seat Count] の情報は表示されません。また一覧を展開しても、他のユーザーに関する詳細は表示されません(マルチシートライセンスからライセンスを取得している場合)。
ライセンスのリモートによる解放
オンデマンドとローミングのいずれかのモードで使用されているライセンスを強制的に解放することができます。例えば、休暇の際にライセンスを解放し忘れた場合、自宅のコンピューターから解放し、家でそのライセンスを使用することができます。「解放権限」の及ぶ範囲は、ライセンスに対して管理者権限があるかどうかによって異なります。
- 管理者権限がある - 任意のユーザーが使用しているライセンスをリモートで解放できます。ライセンスは解放され、それを使用していたユーザーはライセンスを失効します。
- 管理者権限がない - 自分が使用している(別のコンピューターの)ライセンスに限り解放できます。そのライセンスは再使用できます。
ライセンスを解放するには、次の手順で行います。
- [Available Licenses] の一覧で、解放するライセンスを選択します。マルチシートライセンスの場合は、親ライセンスを展開し、現在使用されているライセンス項目を選択します。
- 一覧の下方にある [Release] リンクをクリックするか、右クリックしてコンテキストメニューから [Release] コマンドを選択します。次に表示される内容は、解放するライセンスが使用されているモードに応じて異なります。
- オンデマンド - 解放を続行することを確認するダイアログが開きます。[Yes] をクリックしてライセンスを強制解放します。
- ローミング - [Altium Honor Code] ダイアログが表示されます。このダイアログは基本的に、Altium倫理規定に従って、ローミングライセンスの解放後に他のコンピューターでそのライセンスを使用しない、または他のユーザーに使用させないことを約束することを求めるものです。ダイアログの内容をよく読み、その内容およびEULAの規定を厳守する場合は、該当のフィールドに「I Agree」と入力します。その後、[Release] ボタンをクリックして解放作業を進めます。