Draftsman の改善(AD17.1)
This document is no longer available beyond version 17.1. Information can now be found here: Streamlining Board Design Documentation with Draftsman for version 25
Altium Designer 17.1 では、Draftsman 製造図面アプリケーションに関する、新しい機能や改善点が導入されました。この更新では、新しい等角投影図、表面仕上げの指標、ビュータイトルの位置調整、BOM を様々な表に分割する機能等が含まれています。また、バグ修正や図面機能の改善も追加されています。
等角投影図
Draftsman ドキュメントでの自動化された基板製造図面機能を拡張し、Assembly や Fabrication 図と一緒に、等角投影図 で配置できます。
現在、指定している PCB の等角投影図は、Place » Board Isometric View コマンドでドキュメントに配置できます。配置した等角投影図のプロパティやオプションは、Properties パネル(図面グラフィックをワークスペースで選択している時、Board Isometric View モードが表示されます)から編集できます。投影図の方向を選択するには、パネルの View – Face Side ドロップダウンメニューを使用します。
Properties パネルを開いていない場合、配置した drawing view をダブルクリック、また、右クリックメニューから Properties を選択、または作業領域の下部にある ボタンをクリックして表示できます。
分割 BOM
ほとんどの高度な PCB プロジェクトの Bill of Materials (BOM) ドキュメントには、多くの項目が含まれている傾向があります(図面ドキュメントに合う表として再現することは難しくなります)。フォントや表の縮尺、複数の表のカスタマイズ、または外部のドキュメントを頼るのではなく、Properties パネルの Split BOM 機能により、部品表を分割してページ の番号を Draftsman BOM Table に表示できます。
複数の BOM Pages を作成するには、配置した BOM(ドキュメントシートの高さを超える)を選択し、Properties パネルの Pages の項目にある Limit Page Height ボックスにチェックを入れます。これにより、BOM の高さが指定した高さ (Max Page Height, mm) に(このため、BOM の行数が)制限されます。
Draftsman は、パネルの Page の項目(例えば、1 from 2
)に示す通り、BOM 全体が表示されないと検出します。そして、ドロップダウンメニューで、表示するページを指定できます。BOM のページを追加するには、更に BOM を配置し (Place » Bill of Materials)、Properties パネルの Pages の項目にある Page で次のページを指定します。
BOM の各ページは、BOM を追加して配置してから設定するので、個々の BOM ページは、Draftsman ドキュメントのどのシートにも配置できます。他の異なる分割 BOM ページを配置するには、配置した BOM で BOM Table ID を指定します(0
でなく 1
)。
バリアントパラメータと出力ジョブ
Variants(ボードデザインのバリエーションを作成する機能)で作成したバリアント情報は、 Draftsman へも移行されます(配置した drawing View へデザインのバリエーションを同様に適用できます)。
プロジェクトバリアントは、プロジェクトの Variant Management ダイアログ(パラメータを各バリアントへ追加できます)で追加します。これらのパラメータは、一般的に現在、バリアントが有効な Altium Designer のドキュメントにスペシャル(変換される)ストリングとして適用されます。
Draftsman で、プロジェクトのバリアントは、Properties パネルの View の項目にある Variant メニューから選択できます(バリエーションが反映された view が表示され(例えば、Assembly View)、必要に応じて、メッシュ表示が適用されます) – バリアント表示設定については、Tools » Document Options をご覧ください。
スペシャルストリング(例えば、VariantName や Variant Parameter)は、文字、または Draftsman シートテンプレートのタイトルブロックに含める文字として図面に配置できます – パラメータ文字のリストに関しては、Document Parameters ダイアログをご覧ください。
Surface Finish 表示
Draftsman では、技術的な製品資料の surface texture に関する ISO 1302:2002 国際基準に従って、Surface Finish グラフィカルシンボルや、それに関連するパラメータを配置できます。その基準は、図面内で surface texture の表示(製品に使用可能な表面の材料(この場合、PCB)を示す特定のシンボルや属性に基づく)に関するルールを示します。
PCB 製造業者が、この標準化された情報を必要とする時、Draftsman に追加した Surface Finish indicators 機能により、個別の Surface Finish ツール、またはアプリケーションは必要ありません。そのグラフィカルシンボルには、ISO 基準で定義されているように、専門のテキストコードが付加されます(配置済み Surface Material オブジェクトを選択した時、Properties パネルで追加します)。
図面に Surface Material シンボルを配置するには、メニューから Place » Surface Finish を選択します。ハイライト表示されたライン上をクリックしてから、再度クリックし、シンボルを配置します。配置した surface 表示は、ラインに沿ってドラッグ移動でき、図面から離れる場合、自動で延長線が表示されます。シンボルを自由な位置に配置するには、Properties パネルで With Leader オプションを選択します。
ほとんどの場合、1 つ、または 2 つの面のみ(例えば、トップやボトムレイヤの面)定義する必要があります。この通り、通常、シンボル/属性の最小数が必要になります。
Surface Finish シンボルの形状は、以下のような surface material の可能な処理を示します:
- どんな製造プロセスも可能です(デフォルト)。
- 材料は、削除されます。
- 材料は、削除されません。
- パネルの Allow Different Requirements オプションにチェックを入れた時、括弧で囲われたシンボルが付加されます。
シンボルに関するストリングベースのパラメータ(属性)は、基準で定義されている製造オプションを示します。
- First requirement (
a
) - Second requirement (
b
) - Manufacturing Method (
c
) - Surface Lay and Orientations (
d
)- 事前に定義するオプション(Properties パネルのドロップダウンメニュー(デフォルトは、
None
)から選択したシンボルグラフィックで表示)
- 事前に定義するオプション(Properties パネルのドロップダウンメニュー(デフォルトは、
- Machining Allowance (
e
)
Geometric 寸法線と許容差
Draftsman では、業界標準の Geometric 寸法線 や Geometric 許容差 を象徴する要素(図面に含めたオブジェクトの製造プロパティを定義する)を配置、設定する機能があります。
これは、ほとんどの高度な MCAD アプリケーションでも使用され、geometric symbol の専門的な情報により、物理的なオブジェクトの製造で許可できる欠点を示します。Draftsman ドキュメントへ追加できる geometric 定義の要素は、American Society of Mechanical Engineers (ASME) で開発された基準(特に、ASME Y14.5-2009 Dimension and Tolerancing 基準)から得られます。ほとんどのその他の基準やガイドラインは、geometric 技術の定義(International Organization for Standardization (ISO) の概念的なドキュメントを含む)のためにあります。
– 概要と参照リンクについては、Geometric dimensioning and tolerancing をご覧ください。
Draftsman 技術ドキュメントに関する、シンボルベースの寸法線や許容差情報は、以下の 2 つの新しいオブジェクトを配置して図面に追加します:
- Datum Feature シンボル – 図面内の物理的な feature のライン、点、、軸(例えば、基板の端、コンポーネント、穴)に接続できるオブジェクト。
- Feature Control Frames – drawing feature に接続できる情報オブジェクト(その feature に関する、機構的な製造上の制約を指定するためのシンボルデータを含む)。
上記の双方のオブジェクト共、ドキュメント内で自由に配置、または通常、feature(例えば、端)に接続できます。その他の Drawing Annotation を Draftsman に配置する(例えば、Surface Finish シンボル)時と同じ方法で、geometric 定義シンボルは、ハイライトされたラインをクリックして、ラインに接続してから再度、クリックして配置します。
Datum Feature
Datum Feature は、Place » Datum Feature メニューコマンドを使用、または Drawing Annotation ツールバーの アイコンを選択して、上記で説明した通り、drawing featureに接続してから配置します。接続した Datum 要素は、その feature(例えば、図面オブジェクトを参照する時の端)を識別します。
Feature Control Frames(以下をご覧ください)に含まれる寸法線の許容差が、この datum やその他の datum を参照できるように、Datum Feature は、Properties パネルの Label の項目で識別されます。
Feature Control Frame
Feature Control Frame は、Place » Feature Control Frame メニューコマンドを使用、または Drawing Annotation ツールバーの アイコンを選択して、上記で説明した通り、drawing feature に接続してから配置します。または、任意の場所に配置します。
伝える情報(シンボル、modifier、数値で表示)は、Properties パネルで入力します。
Feature Control Frame には、製造上の許容差や制約を指定するために付加できるシンボルオプションや多数の要素があります。機構的な許容差(例えば、'straightness')は、指定した図面オブジェクトの面へ適用します。比較による寸法線の許容差(例えば、'position')は、一般的に Datum と比較して指定します。
適用する Geometric 許容差
Draftsman drawing view で機構的な要素を追加した時、Feature Control Frame や、それに関連する Datum 参照で表現した複合情報は、容認できる製造上の制約を、物理的な要素に記述できます。
下図の drawing view の例で、寸法線が追加されています(3 つの基板端に Datum Feature 参照が接続されています。そして、Feature Control Frame が上部の基板端と 2 つの取り付け穴に適用されています)。Feature Control Frame には、複数の要素が追加されています(選択できる一連の列で表示されます – Properties パネルのSelected Element 領域内にある Add、Delete 等のボタンからコントロール可能です)。
様々な Feature Control Frame に使用したシンボルやフォーマットは、ASME 基準で記述されます。しかし、上図の例の概要は、以下の通りです:
- 端 A に接続した Frame
- 最初の要素(上の列) – 基板端に関する平面の許容差(容認できる面)を明記しています。
- 2 番目の要素 – 側面 A と C 間の平行面の許容差(容認できる距離、角度)を明記しています。
- Hole X に接続した Frame
- 最初の要素(上の列) – Datum A と Datum B を比較した穴位置の許容差(容認できる位置)を明記しています。
- 2 番目の要素 – 穴に関する丸みの許容差(容認できる直径)を明記しています。
- Hole Y に接続した Frame: Composite Feature Control Frame(Properties パネルのチェックボックスで選択)
- この frame のシンボル(最初の欄) – 位置情報として、この Frame を全ての要素(列)に定義します。
- 最初のサブ要素 – Datum B に関する Hole Y の許容差(容認できるエラー)を明記しています。
- 2 番目のサブ要素 – Datum C に関するHole Y の許容差(容認できるエラー)を明記しています。
- この frame のシンボル(最初の欄) – 位置情報として、この Frame を全ての要素(列)に定義します。
更に、Draftsman では、手動でコンポーネントデジグネータをコントロールしたり、位置を調整する機能を追加しました。これは、Component Display Properties ダイアログで利用でき、個々のデジグネータ、または BOM item 基準でデジグネータの位置、サイズ、スタイルを Properties パネルから直接、コントロールできます。また、ドラッグアンドドロップでデジグネータの位置を調整できます。
デジグネータを直接、コントロールするには、Properties パネルの新しい Component Display Properties の項目を使用します(これは、実装図内のコンポーネント、またはそのデジグネータを選択した時、有効になります)。選択したコンポーネントのデジグネータのプロパティは、Component Display Properties ダイアログ(パネルのView の項目内の ボタンを選択して開きます)のコンポーネント情報と同じです。
パネルの Component Display Properties で行った変更は、現在、drawing view で選択しているコンポーネントに影響を及ぼします。全てのコンポーネントのプロパティを変更するには、Apply changes to all instances of same BOM オプションにチェックを入れます。これにより、コンポーネントの BOM item が検出され、全てのコンポーネントへプロパティの変更が反映されます。
例えば、フットプリント CC2012-0805
が割り当てられた 0.1uF
の全てのコンデンサのプロパティを変更するには(選択したバイパスコンデンサに関する BOM 設定)、Apply changes to all instances of same BOM オプションを選択してから、component display property を変更します。これは、Component Display Properties ダイアログの BOM のプロパティを変更するのと同じです。
Callout 機能を改善し、Callout の Source Type データとして新しい Component Parameter オプションを利用できます。
これを選択した時、Component Parameter ソースを設定して、Callout(PCB ドキュメントの実装図から抽出された)で選択したコンポーネントのパラメータを指定できます。表示するパラメータデータを指定するには、Properties パネルの Parameter のドロップダウンメニューを使用します。
図面オブジェクト(例えば、四角形や円)の背景の形状は、塗り潰し(solid)、または ANSI 形式の格子、斜線(hatched)に設定できます。
これらの図面オブジェクトは、Properties パネルを介して、塗り潰しや格子状の色オプションを定義できます。また、Draftsman Preferences ページのprimitive の項(Drawing Tools – Rectangle や Circle)で適切なデフォルトに設定できます。
円、または四角形の背景の形状を変更するには、ワークスペースでそれを選択してから、Properties パネルの Background ブラウズボタン () をクリックして、Fill Style ダイアログを表示します。そこで、塗り潰し/格子状、色等を設定できます。
表題の位置調整
配置した View や表の表題文字の位置は、オブジェクトの周りの幅広い位置に設定できます、または表題文字をドラッグして移動できます。
View や表に関して、Properties パネルの Title の項目には、Location のドロップダウンメニューがあります(表題位置を選択できます)。各タイプのオブジェクトに関するデフォルトの表題位置は、Preferences (DXP » Preferences) の Draftsman – Primitive Defaults ページにある Board Views や Table の項目で定義します。
表題を新しい位置へドラッグして、手動で配置します。表題文字を新しい位置へドラッグした時、Properties パネルの Title – Location 設定は、自動で Manual オプションに変わります。