重複したユニーク ID の検出
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ユニーク ID(固有の識別子)は、バックグランドで気づかれず、あまりユーザが介入することはありませんが、この値は、同期、ネット生成、回路図と PCB 間のコンポーネントをリンクする際、デザイン要素を識別するために Altium Designer で重要な役割を持っています。
回路要素(例えば、コンポーネント)を回路図シートへ配置する時、ユニーク ID は、自動でそれらへ割り当てられます。これは、コンポーネント属性の変更に関係無く、そのオブジェクトの固有の参照情報となります。しかし、いくつかの状況(例えば、デザインをインポートする時のエラー、ファイルの破損、以前のソフトウェアのバグによる問題や、手動による操作で意図しない変更が発生する場合等)で、ユニークIDは、重複、または欠落する場合があります。
Altium Designer の以前のバージョンでは、重複したコンポーネントユニーク ID は、回路図コンパイラで検出されました。そして、これを解決するために、Reset Component Unique IDs コマンド(コンポーネントユニーク ID を取り戻す機能)を使用しました。しかし、ユニーク ID の値は、全てのデザインオブジェクト(ポート、ワイヤ、パラメータ)へ割り当てられます。そして、それらの要素のユニーク ID が重複すると、デザインに問題が起こる可能性があります。
全ての回路要素に関するユニーク ID の重複を検出、修正するために、Altium Designer 15 では、ユニーク ID を検出する高度な回路図コンパイラと、重複したユニーク ID を自動で修正する新しいメカニズムを導入しました。
コンパイラによるユニークIDの検出
このバージョンの回路図コンパイラでは、接続性に関するオブジェクト(ポート、シート、コンポーネント、コンポーネントピン、パラメータ等を含む)の重複したユニーク ID を検出できます。コンパイラにより、重複したユニーク ID のエラーが Messages パネルに表示されます。そして、これらはクロスプローブ表示して、必要に応じて、ユニーク ID を再生成し手動で修正できます。
複数の重複したユニーク ID を修正
複数の重複した、または欠落したユニーク ID を一回で修正するには、Tools » Convert » Reset Component Unique IDs コマンドを使用します。このコマンドには、2 つのプロセス(以下の順番で実行されます)が含まれています:
- 重複したユニーク ID が検出され、重複したオブジェクトのいずれかのユニーク ID の値がリセット(再生成)されます。
- 部品とシートシンボルのユニーク ID がリセット(再生成)されます。
このコマンドは、アクテイブな回路図、開いている回路図、プロジェクト内の全ての回路図へ適用できることに注意してください。
読み込み時に自動修正
コンポーネント以外の重複したユニーク ID は、回路図ドキュメントが Altium Designer で読み込まれる時、自動で検出、修正されます。そのため、ユーザが介入する必要はありません。
検出/修正プロセスは、全てのユニーク ID(パラメータ セットや、ポート、ネットラベル、ディレクティブ、シート等に追加したパラメータを含む)に反映されます。この修正は、特に、パラメータユニーク ID で重要です。重複したユニーク ID により、誤動作(バリアントを含むプロジェクトでアノテーションエラー等)が起こる可能性があります。
ユニーク ID を自動化して修正する機能により、回路図のコンパイルで検出されない重複したユニーク ID を探す必要は無くなります。
回路図-PCB リンク
重複したユニークIDを修正したら(個別に、複数の、自動でユニーク ID を変更)、回路図と PCB 間のリンクを再度、行い、デザインの接続性を維持する必要があります。
PCB エディタの Edit Component Links between… ダイアログを使用して、更新を行います (Project » Component Links)。