Vaults パネル

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概要

Vault Explorer パネルは、Altium Designer と接続した Altium Vault 間の最初のインターフェース（設計データ管理システムに不可欠な）です。Altium Vault には、コンポーネント、管理されたシートやテンプレート、完成したデザインを含む会社の設計データを保存します。Vault Explorer パネルから、vault で使用した組織の構造を作成、管理して多くの Item （設計側のオブジェクト）を作成できます。また、詳細な Item 情報を表示でき、そこで Item の revision や lifecycle 設定を管理します。また、Where Used and Supply Chain の詳細を表示できます。 　

パネルへのアクセス

Vault Explorer パネルを表示するには、Altium Designer の右下にある System ボタンをクリックし Vault Explorer を選択します。あるいは、View » Workspace Panels » System サブメニューからそのパネルを表示できます。　

作業する Vault を選択

Vault Explorer パネルから、一度に 1 つの vault へ接続できます。 パネルの左上にある欄は、現在、探している vault （content を閲覧、修正できる vault）を示します。アクティブ vault を表示する content をリフレッシュするには、アドレスバーの右端にある　 アイコンをクリック、または右クリックし Refresh Vault を選択します。　

別の vault を選択、表示されたデータをリフレッシュ、Preferences ダイアログの Data Management – Vaults ページへアクセスするには、トップレベルの vault をコントロール（一緒に作業したい vault を選択するだけでなく、vault への接続を管理できるコントロール）する vault 名の左にある  アイコン（または、vault 名自体）をクリックします。　

そのメニューでは以下のコントロールが可能です:

• Connected Vaults – 接続した（有効にした）vault はメニューの上部にリスト表示されます。別の vault と接続するには、リスト内のその項目をクリックします。vault の名称はパネルの左上に表示され、vault の現在のcontent を表示するためにパネルを更新します。　

• Refresh All – 接続した vault を更新するにはこのコマンドを使用します。　

• Vault Administration – Preferences ダイアログの Data Management – Vaults ページ（そこで、vault の接続やその他の vault 属性を管理します）を表示するにはこのコマンドを使用します。また、ここから vault の新しい接続を定義できます。新しく接続した vault の名称は、メニューの上部に表示されます。　

Vault を構成

vault に保存した様々な Item をフォルダツリーで表示することで、vault 内で順番を維持できます。vault content をまとめるために、いくつかのフォルダタイプを利用できます。フォルダの追加や、組織に適するフォルダの保存構造やサブフォルダを定義するには、Vault Explorer パネルの Vault Folders 欄を右クリックします。　 

次の項目では、フォルダでの作業の詳細を説明します。　

Vault 内で Zone を定義　

vault のフォルダ階層内で、別のタイプの Item を保存するために別のフォルダを使用できます。意図したフォルダの目的（使用する content のタイプ）を示すために、フォルダの タイプ を指定できます。これは、Folder Type 属性を使用して行います（これは、フォルダを作成する時、またはフォルダ属性を編集した後で設定できます）。　

最上位レベルで vault を 3 つの領域、または content の zone へ分割できます:

• Component Management Zone – リリースした Component Item を管理するvault の領域。また、Component Item に使用した domain モデル（Schematic Symbol Items, PCB Component Items, Signal Integrity Model Items, Simulation Model Items）。　

• Design Content Management Zone – リリースした、再利用できるデザイン content （Managed Sheet Items, Template Items, Reference Design Items）を管理する vault の領域。　

• Production Release Zone – 物理的なボード（ブランク、実装ボード Item）を作成するために作成、リリースしたデータを管理する vault の領域。　

これらの zone は最上位レベルのフォルダタイプで、通常、content を分類するために異なるタイプのサブフォルダがあります。　

Vault フォルダタイプ

以下の表は、vault で使用するための異なるフォルダタイプの概要です。フォルダを右クリックし Properties を選択していつでもフォルダタイプを変更できます。　

Vault フォルダ属性

フォルダを追加、または編集する時、ダイアログが表示されます。そこで、フォルダの属性を定義します。ダイアログの content は、トップレベルフォルダ、またはサブフォルダが追加されているかどうかに関係無く同じです。 

ダイアログには、以下のフォルダに関連した属性があります:

• Folder Name – フォルダの名称を入力します。　

• Folder Type – これは、フォルダを追加した時、メニュー、または Choose Folder Type ダイアログを介して選択したフォルダタイプが設定されます。タイプを変更する必要がある場合、項目の右にある矢印をクリックしてドロップダウンリストからタイプを選択します。　

• Description – ここで、フォルダの内容説明を入力します。　

• Item Naming Scheme – この欄は、フォルダ内で作成した Item の固有の ID を素早く定義するために使用できるデフォルトの割り付け方針です。デフォルトの割り付け方針を使用して、ソフトウェアは自動で次の固有の ID を割り当てます（その方針に基づいて、Vault や既存の Item の識別子を検索して）。以下の割り付け方針は、content、またはフォルダタイプに依存して 3 段階の識別子で利用できます:
   

  割り付け方針	内容説明	例
  $CONTENT_TYPE_CODE-001-{0000}	識別子の最初の段階は、作成されている Item の content タイプのコードです。　 2 番目の段階は、3 桁の数値です。 3 番目の段階は、4 桁の数値です。	SYM-001-0001
  $CONTENT_TYPE_CODE-001-{A00}	識別子の最初の段階は、作成されている Item の content タイプのコードです。 2 番目の段階は、3 桁の数値です。 3 番目の段階は、4 桁のアルファベットと数値の組み合わせです（一番左側の 1 桁がアルファベット）。	SYM-001-A001
  $FOLDER_TYPE_CODE-001-{0000}	識別子の最初の段階は、Item がある親フォルダのフォルダタイプのコードです。 2 番目の段階は、3 桁の数値です。 3 番目の段階は、4 桁の数値です。	SSL-001-0001
  $FOLDER_TYPE_CODE-001-{A000}	識別子の最初の段階は、Item がある親フォルダのフォルダタイプのコードです。 2 番目の段階は、3 桁の数値です。 3 番目の段階は、4 桁のアルファベットと数値の組み合わせです（一番左側の 1 桁がアルファベット）。	SSL-001-A001

   
  もちろん、項目内でフォルダの方針を入力して作成できます。不定の部分は括弧で囲います（例えば、SYMBOL-001-{J000}）。Item の割り付けをコントロールしたい場合、[NO ITEM NAMING SCHEME] を選択します。それから、Item の固有の識別子を定義する必要があります。この場合に、他の Item や識別子が存在しないか注意する必要があります。重複した識別子の Item は作成できません。手動で識別子を割り当てる場合、どんな識別子が使用されているか知っている必要があります!
   

• Sharing – このリンクをクリックして Permissions For Folder ダイアログを表示します。そこから、フォルダをアクセスできる人を指定できます。　

Vault のナビゲート

様々な方法で vault 内の content をナビゲートできます:

• 見たい content のフォルダをクリックします。　

• パネルの上部にあるアドレスバーを使用します。アドレスバーには、そのフォルダへの階層パスと閲覧している現在のフォルダが表示されます。そのフォルダへ直接、ジャンプするにはそのパスをクリックします。または、ナビゲートするフォルダのメニューを表示するには、そのパス内の  アイコンをクリックします。メニュー内のフォルダを選択するとそのフォルダヘジャンプします。それに応じて、アドレスバーが更新されます。　  

• vault の検索機能を使用します。Item コメント、または description に基づいたキーワードを入力し Enter を押します。または、拡大鏡アイコンをクリックします。キーワードを入力する時、予測したリストが表示されます（検索するためにクリックします）。vault 全体がスキャンされ、一致する Item の検索結果がリストに表示されます。　

Vault フォルダの移動

vault のフォルダ構造内で別の場所へフォルダを移動するには 2 つの方法があります:

• グラフィカルに、フォルダをクリックしてフォルダ階層の目的の位置へドラッグします。　
   
  
   
• フォルダを右クリックし Move Folder コマンドを選択します。Move Folder ダイアログが表示されます（どのフォルダの下にフォルダを移動するか既存のフォルダを選択します）。また、vault 内のトップレベルフォルダにするフォルダを移動できます。　
   
  

フォルダの削除

フォルダは空の（サブフォルダ、または Item が無い）場合、削除できます。フォルダを削除するには、右クリックして Delete Folder コマンドを選択します。　

Vault Explorer パネルに表示した Content をコントロール　

Vault Explorer パネルに表示した詳細を設定するには、アドレスバーの右端にあるアイコンを使用します。　

 - パネルの Vault Folders 領域を非表示/表示するためにクリックします。　
- パネルの Item Details 領域を非表示/表示するためにクリックします。　

Vault Item

vault に保存される各 entity は Item と呼ばれます。Item を更新するために、vault に保存されるものは一連の Item Revision（その Item の特定のレビジョンで、その名称は選択した Revision Naming Scheme に基づきます）です。各新しい Item はフォルダ内に作成されます。vault 内でフォルダを定義したら、パネルの Item 領域にある選択したフォルダに新しい Item を作成できます。　 

以下の項目では、Item での作業の詳細について説明します。　

Item タイプ

Different Item は、異なるタイプのリリースデータを保存したり表現するために使用します。ある Item は回路図シンボルや PCB コンポーネントモデルを表し、他の Item はソースデザインと、リリースされたボードデザイン configuration から生成したデータを含みます。Item （正確に言うと、そのレビジョン）は、その Item を作成、または編集している時に指定する必要がある Content Type 属性を含めるために使用します（content のタイプを宣言します）。これを行うには、Item Type を指定します。　

Item の作成

Item を作成するには、Vault Explorer パネルの Item 領域で右クリックし Create Item サブメニューを選択します。サブメニューは、作成されている Item のフォルダタイプに基づいて変化します（適用できる content タイプを表示）。　

サブメニューから Item タイプを選択すると、Create Item ダイアログが表示されます（Item 属性を定義できます）。Item の Content Type 属性は、Item を作成するために使用したメニューに基づいて自動で選択されることに注意してください。フォルダと同様に、作成したい Item のタイプをコントロールできます。これを行うには、Item を作成するために右クリックして Other Item Type を選択します。また、このコマンドを実行すると Create Item ダイアログが表示されます。この場合、Content Type リストから Item のタイプを選択する必要があります。　

Item タイプを選択すると、Item の他の属性を定義できます。

Item の閲覧

Vault Explorer パネルでは、vault 内の Item レビジョンごとにそのレビジョンの別の点を閲覧できます。これを行うには、そのレビジョンの 1 つ、または複数の画面を使用します。この閲覧機能のトップレベルは Summary 画面です。ここから、閲覧している Item のタイプに依存して、その Item のレビジョンを使用する場所 (Where-Used)、その子Item (子、またはプレビュー)、現在の状態 (ライフサイクル)、Component Item、サプライチェーン情報 (サプライチェーン) を調べるために他の画面へ変更できます。　

右クリックメニュー

パネルで右クリックして表示されるメニューから様々なコマンドを利用できます。コマンドは、右クリックする時のパネルの領域や、その領域内でフォーカスしているオブジェクトに依存します。以下の項目に利用できるコマンドを記載します。　

Vault フォルダ領域のコマンド

• Add Top Level Folder – 新しいトップレベルフォルダを vault フォルダ構造へ追加するには、このコマンドを使用します。サブメニューは、Generic フォルダタイプと同様に 3 つの管理 zone (Component Management, Design Content, Production Release) のフォルダタイプです。別のフォルダタイプを閲覧、選択するには、Other Folder Type をクリックします。Add Top Level Folder ダイアログが表示されます。そこで、フォルダ属性を定義します。　
• Add Subfolder – vault フォルダ構造で選択したフォルダの下に新しいサブフォルダを追加するには、このコマンドを使用します。サブメニューは、親トップレベルフォルダタイプに基づいて、適用できるフォルダタイプです。別のフォルダタイプを閲覧、選択するには、Other Folder Type をクリックします。Add Subfolder ダイアログが表示されます。そこで、フォルダ属性を定義します。　
• Move Folder – Move Folder ダイアログ（vault フォルダ構造内でフォルダの場所を変更するために使用できます）を表示するには、このコマンドを使用します。
• Delete Folder – 選択したフォルダを削除するには、このコマンドを使用します。フォルダが空（サブフォルダ、または Item が無い）であれば削除できます。 
• Expand Subtree – 選択したフォルダやサブフォルダを拡張するには、このコマンドを使用します。
• Expand All – vault フォルダ構造で全てのフォルダを拡張するには、このコマンドを使用します。
• Collapse All – vault フォルダ構造で全てのフォルダを折りたたむには、このコマンドを使用します。
• Refresh Vault – 現在、閲覧している vault の接続を更新するには、このコマンドを使用します。
• Properties – Edit Folder ダイアログ（選択したフォルダの属性を表示、修正できます）を表示するには、このコマンドを使用します。

Item 領域のコマンド

• Full Item Details – 選択した Item に関する画面を表示するには（新しいタブがある画面で表示されます）、このコマンドを使用します。Item View には、Item を作成する要素や、特定の Item のレビジョンやライフサイクル履歴が表示されます。また、その画面には Timeline が含まれます。Timeline は、その Item のレビジョンレベル、またはライフサイクル状態へ行った変更の時間や日付、誰かが行った変更を調べるために使用します。  
• Download Item-Revision – リリースした資料を選択した Item-Revision へダウンロードするには、このコマンドを使用します。例えば、Blank Board Item にはデザインのスナップショットとリリースした出力があります。Schematic Symbol Item には SchLib ファイルがある等。   
• Place Item-Revision – 選択した Item-Revision の instance を配置するには、このコマンドを使用します。例えば、Component Item のレビジョン、または Managed Sheet Item をアクティブ回路図シートへ配置。コンポーネントのシンボル、または管理されたシートシンボルはカーソル上に表示されます。　 
• Create Item – 選択したフォルダ内で新しい Item を作成するには、このコマンドを使用します。サブメニューは、Item が作成されているフォルダのタイプに基づいて適用できる content タイプです。別の Item タイプを閲覧、選択するには、Other Item Type をクリックします。Create Item ダイアログが表示されます。そこで、Item の定義をコントロールできます。  
• Move Item –  Move Item ダイアログ（選択した Item を保存するフォルダを変更するために使用できます）を表示するには、このコマンドを使用します。
• Delete Item – 選択した Item を削除するには、このコマンドを使用します。Item がある vault の Administrator の場合、Item を削除できます。また、'全体' から Item を削除する必要があります。それは、親 Item が使用する子 Item を削除できない（最初に親 Item を削除する必要がある）と言うことです。  
• Properties – Item Properties ダイアログを表示するには、このコマンドを使用します。ここで、選択した Item の属性を表示できます。Item のレビジョンがまだリリースされていない場合、属性を修正できます。　

ライフサイクル画面のコマンド

• Place Revision – 選択した Item Revision の instance を配置するには、このコマンドを使用します。例えば、Component Item、または Managed Sheet Item のレビジョンをアクティブな回路図シートへ配置します。コンポーネントのシンボル、または管理されたシートシンボルはカーソル上に表示されます。   
• View Revision Properties – Properties for Item Revision ダイアログ（選択したレビジョンの親 Item に関連した属性をリスト表示します）を表示するには、このコマンドを使用します。また、コンポーネント Item のパラメータ、または親デザインやリリースしたボードデザイン Item の configuration のような他の属性もリスト表示されます。　
• Edit Revision – Edit Revision ダイアログ（選択した Item Revision の属性を修正できます）を表示するには、このコマンドを使用します。このコマンドは、Item Revision が Planned 状態の時のみ利用できます。 
• Delete Revision – 選択した Item Revision を削除するには、このコマンドを使用します。Item がある vault の Administrator の場合、Item Revision を削除できます。また、'全体' から Item を削除する必要があります。それは、親 Item が使用する子 Item Revision を削除できない（最初に親 Item を削除する必要がある）と言うことです。   
• Lifecycle State Transition commands – メニューは、別の状態遷移（Item Revision のライフサイクルに関して、ライフサイクル内で到達した状態に依存して、その Item に有効なライフサイクル定義）を反映するために変化します。例えば、新しくリリースしたボードデザインでは New From Design 状態にあり、デフォルトの Structured Lifecycle With Approvals ライフサイクル定義に従って 2 つのコマンド（Set Ready for Prototype Approval と Abandon Design）が表示されます。　
• Establish Planned Revision – 3-level revision naming scheme （例えば、01.A.1 が現在の Item Revision の場合、このコマンドを使用して確率する次の Item Revision は 01.A.2 になります）の最下位レベルで Item の次のレビジョンを確立するには、このコマンドを使用します。変更します。　
• Establish Planned Prototype – 3-level revision naming scheme （例えば、01.A.1 が現在の Item Revision の場合、このコマンドを使用して確率する次の Item Revision は 01.B.1 になります）の 2 番目のレベルで Item の次の試作を確立するには、このコマンドを使用します。
• Establish Planned Model – 3-level revision naming scheme （例えば、01.A.1 が現在の Item Revision の場合、このコマンドを使用して確率する次の Item Revision は 02.A.1 になります）の最上位レベルで Item の次のモデルを確率するには、このコマンドを使用します。
• Establish Planned Item – 選択した Item Revision と同じフォルダ内で新しい Item を作成するには、このコマンドを使用します。Create Item ダイアログが表示されます。そこで、Item の定義をコントロールできます。

注記

1. Vault Explorer パネルは横、または縦に配置できます。パネル名上で右クリックし、Allow Dock サブメニューから選択します。